11/19(火)星型の禿

2024年11月19日 Posted in 中野note
ray_51.jpg

日曜から今朝にかけて、久々にアンドレ・ブルトンの『ナジャ』を
読み直しました。これは、来月から取り組む『佐川君からの手紙』や
『ご注意あそばせ』の読解に備えてのことです。

佐川君からの手紙をもらい、唐さんは困り果てたでしょう。
そして、青春の書である『ナジャ』に逃走したに違いない。
というのが、自分があの有名な芥川賞作品に感じている感慨です。

パリといえば『ナジャ』、そしてブルトンのヒロインを突き抜け、
自分のヒロインであるキクおばあちゃんにまで逃げ切る、
これが実に唐さんのチャーミングなところだと思います。
もちろん、ぜんぜん逃げきれていない感じがありますが。

それにしても、久々にシュルレアリスム関連の本を読むと、
いかにも青春の書という感じがして、くすぐったいような、
それでいて、やっぱり自分もまたこういうものを信じているな、
という再会の気持ちがします。

写真はマルセル・デュシャンの星型の禿。
唐さんが、ふざけながら、真剣にパクって『腰巻お仙』のヒントに
しただろう一枚です。

トラックバックURL:

コメントする

(コメントを表示する際、コメントの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。その時はしばらくお待ちください。)