終演後のご挨拶

2016年10月25日 Posted in 26_腰巻お仙_振袖火事の巻
公演を終えて

千秋楽を終えて10日あまり経ちました。
片付けやお世話になった方へのお礼も済ませつつあります。
気づけば、朝晩、寒いですね。

『腰巻お仙』、思い入れある演目ですから、力が入りました。

自分が初めて唐十郎ゼミナールに入った時、唐さんが用意して下さった演目が、
今回の『振袖火事の巻』の前作『腰巻お仙〜義理人情いろはにほへと篇』だったのです。
去年、新宿で初めて公演することができて、約2週間を中央公園で過ごした時から、これと決めていました。

15年前に使った音楽もふんだんに使いながら、「ドクター袋小路」「床屋」「禿の客」、
そしてもちろんヒロイン「お仙」......、勝手知ったるキャラクターが大いに跳梁するべく、稽古を重ねました。
色々と手管も覚えましたので、それらもふんだんに使って。とどめに、大久保鷹さんにゲネプロに立ち会ってもらい、
最後に「魂」も注入してもらいました。

どうしても、乾坤一擲の公演にしたかったのです。


一方で、オレ達ばっかり思い入れたっぷりで空回ったらどうしよう、という不安もありましたが、
連日多くのお客さんに恵まれて、若かりし日の唐さんが仕込んでいかれたギャグも、半世紀を越えて着実にウケました。

「機動隊」という、初演で猛威を振るった最強のエキストラこそいませんでしたが、
人数では負けていないポケモンハンターに囲まれて、これはこれで異様な光景となりました。
なにせ、ものすごく多くの方たちが、お互いは全く没交渉でひたすら小さなモニターを眺め、
公園内にいるモンスター目掛け、大挙して移動していくのです。

おかげで、現代においても、大勢の人たちに囲まれる公演となり、
その中で、劇の主題である「愛と青春の嵐」や「もっとも怖るべきは少女」をやることができました。

終演後には、ほんとうに多くの方が「よかった」「おもしろかった」と言って下さいました。
どうもありがとうございます。
団員一同、強く手応えを感じています。

 

そして、10年前には上演に反対した唐さん。
唐さんの書かれた『振袖火事の巻』は21世紀のいまも有効でした。

やりましたよ!

 

中野敦之




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