KAAT×唐ゼミ☆合同公演 『唐版 滝の白糸』 中野挨拶
2013年11月29日 Posted in SP 唐版 滝の白糸
2年越しで準備してきた『唐版 滝の白糸』が終わりました。
2011年の夏、本番のあてもなく稽古して、この演目は新機軸を提示できると思いました。
2011年の夏、本番のあてもなく稽古して、この演目は新機軸を提示できると思いました。
その時点ではいずれやれたらいいくらいの感覚。ところが、年末にKAATの館長に地下鉄で
バッタリ会い、「一緒にやろうぜ」という口約束からこの企画が滑り出したのです。
正直
言って初めは半信半疑でした。なかなか本決まりの連絡も来ないし、本当に実現するのか、
2012年の夏過ぎくらいまで確信が持てなかったのです。それが秋頃からトントン拍子に話が
まとまり、シアターコクーンでは蜷川さんの再演があることも発表され、一気にスイッチが
入っていったのです。
忘れもしない2013年1月16日は、劇場スタッフと劇団員+大久保鷹さんの初顔合せでした。
7月の『夜叉綺想』が終わってからは怒濤の勢いで作業は進みます。まずピンチに立ったのが
忘れもしない2013年1月16日は、劇場スタッフと劇団員+大久保鷹さんの初顔合せでした。
あれは緊張した。いずれ公演することになる大スタジオを押さえてもらって、閑散とした
劇場の舞台スペースに四角にテーブルを並べました。劇場幹部と百戦錬磨のスタッフたちが
見守る中、武器はホワイトボード1枚とラジカセ、それにこの日のために本読みの下稽古を
重ねて来た劇団員たち。緊張は極に達していましたが、私たちは日常の劇団稽古と変わらず
科白と物語に没頭してゆくことができました。一回目の成功体験!
7月の『夜叉綺想』が終わってからは怒濤の勢いで作業は進みます。まずピンチに立ったのが
舞台監督の齋藤。慣れぬ劇場公演のノウハウを学びながら、美術打ち合わせが千本ノックの
ように続きました。次に大久保鷹合流後の西村と禿。小人レスラーチームが合流する前にカツラを
完成させなければならない入山。衣裳をお願いした本永さんチーム。あとは劇団員全員。
9月の終りから全体で躁状態に突入していきました。
いま、気付けば冬です。 秋以降のこと、本番中の出来事は記憶がおぼろげで定かではありませんが、
劇場スタッフの皆さんが一緒に公演作りをおもしろがってくれた感触が、濃く身体に残っています。
時には休日も潰して関わってくれた。本当に看板に偽りなしの「合同公演」でした。テント演劇は
なんでも自分たちでやります。出演も裏方も宣伝も、お客さんのお世話も。そのスタイルを劇場の
皆さんは尊重してくれて、何もかも一緒に公演を作ってもらいました。
そうそう。舞台美術。何人かのお客さんに「今回は立派なのを発注したんだねえ。」と言われて
心底嬉しかった。あれは熟年の職人さんの指導のもと、あくまで私たちで作ったものです。
最後に、応援してくれた観客の皆様。
お客さんが集まってくれるかどうか不安で仕方がなかった私たちは、ほとんど脅迫状のような
お客さんが集まってくれるかどうか不安で仕方がなかった私たちは、ほとんど脅迫状のような
手紙を添えて皆さんに泣きつきました。お願いをお聞き届けくださった皆様、ご来場と宣伝に
ご協力をいただき本当にありがとうざいました。10月末まで4割くらいに低迷していた集客率は
11月になるとグングン伸び、最終的に9割強を達成できました。確かなことはまだ言えませんが、
皆様のおかげで劇団の未来が切り開けるような気がしています。
さあ、今年度はまだ3本目が残っています。
すでに「やなぎみわ×劇団唐ゼミ☆」合同公演は始まっています。
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