名犬・リンチンチン
2004年6月22日 Posted in 2006以前
さて、「盲導犬」では様々な犬が登場する。
盲導犬教師達が連れるブリキの犬、彼らが「悪魔の犬」と呼ぶ破里夫の盲導犬ファキイル、登場人物が犬になる、なんてこともあるかもしれない。
今回のお話で大事な役割を果たす犬の中で、シェパードとチンの血が半分ずつ流れる雑種、犬屋の看板犬リンチンチンがいる。
「盲導犬」は櫻社や新宿梁山泊など、いくつかの劇団が公演をしたが、犬屋のマスコットがフーテン少年に盗まれるのは「盲導犬」史上異例の事件。犬屋も刑事も必死で追いかけるところを見ると、リンチンチンは誰からも愛されている犬なのだろう。
身体は大きいが全体的になめらかな肉付き、茶と黒の艶やかな毛並み、黒く濡れた瞳。
店先で穏やかに町並みを見守っていただろう彼はフーテンに盗まれることによって、町並みに隠れた陰を垣間見ることになる。
このリンチンチンは出演していないときも、やはり舞台裏でマスコット的存在として唐ゼミのメンバーのこころに安らぎを与えている。
90分間疾走し続ける「盲導犬」、その中で唯一誰をも導かずに静かに佇む犬、それがリンチンチンなのだ。
ちなみに、このマスコット犬の名付け親は唐教授であるが、昔、「名犬リンチンチン」というテレビシリーズがあったという。騎兵隊の隊員が飼っているシェパードが活躍する物語だ。
リンチンチンが言いにくいので日本版では「リンティ」と縮めて呼んでいた。
《イメージ画像》
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