第一部佳境!

2005年5月16日 Posted in 2006以前

晴れているかと思ったら急に土砂降り。
さらにはその雨粒が瞬く間に雹(ひょう)に変わって降り注いだ。

五月も半ばだ。

劇団唐ゼミ★「煉夢術」の稽古は第一部の佳境に入った。
今日の午前中は場面転換んぽ練習に重点を置いて、第一部を通す稽古。
場面ごとに創ってきた芝居が、一つの世界として組み上げられていく。
おぼろげではあるが、稽古場に「煉夢術」という一つの時間が流れ出した感じである。

―東京都の地図を売り歩く、主人公「ある男」。
 彼は自分の売っている地図にはない場所へ、とある「謎」を解く旅に出る。
 男がたどり着いた地図にない「町」は、夜中の十二時を過ぎると、
誰もが動いてはいけないという規則を 持つ場所だった。
そこにいるのは、赤い蝶々を追いかける、足カセをはめられた老人、
町の墓石に自分の名前を見つけようとする人体模型人形、
亡くした息子の面影を追いながら、町の時計塔を守る夫婦。 
そして、謎解きの鍵を握る、黒い服の男A・B―。

第一部は主人公のおう謎と、上記した登場人物のエピソードが絡み合い、謎がほぐれていく過程を描いている。
ibuki

各々の人物の世界を往来するため、場面転換は激しい。
小道具の捌き方、転換のタイミングなどを一つ一つ確認しながら稽古は進められた。
こういった、技術面での完璧さは、作品の完成度に大きく影響してくる。
抜かりがあってはならない。
火曜日には、さらに完成度の上がった第一部が観られそうだ。

舞台装置の作業も着々と進んでいる。
「煉夢術」は、舞台装置指定の多いト書きを持つ戯曲だろう。
要求されているものからどんどん作っていく。
冷蔵庫、らせん階段、墓石、バス停・・・まだまだあるが、この辺りは形が見えてきた。
もう一つ、今回特徴的なのは、随所に出てくる小道具「人形」である。
登場人物にそっくりの何体もの人形。
美術担当〈関緑)は、毎日あたまを悩ませながら悪戦苦闘しているようだ。
ryoku

少しずつ形の見え出した「煉夢術」。
今日の空模様のように、瞬間瞬間変化している。
その変化が確かな「進化」となって、作品が仕上がっていくのを楽しみにしていただきたい。

2005.5.16        〈タムラ団)


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