せみは昼夜を問わず鳴く

2005年8月 5日 Posted in 2006以前

熱帯夜が続いています。
寝苦しい夜に悩まされている劇団員も多々いるようです。

本日の作業から、『黒いチューリップ』のオーディションを合格した小野里美さんが
作業の手伝いにきてくれました。
また、これまでに、唐ゼミ★に出演したことある
橋本幸紀、儀間真瀞、加藤由以、田中千彬などが手伝いに顔を出してくれました。
この場をかりまして、お礼を言わせてもらいます。


作業は延々と続いています。
起床→作業→就寝のリズムを絶えず繰り返すだけの単調な生活になっています。
食事の時間と休憩を少しだけ挟むだけで一日の時間の使い方は集約されます。
起きれば作業、帰れば就寝。

居残り
唐ゼミ★の作業も、全体作業と、個人作業というものがあります。
全体作業は、パネルなどの大道具のことで、
個人作業は、小道具のことをさしています。
毎公演のことですが、全体作業後に個人作業を始めます。
現在、全体作業は大体十二時間くらい。
個人作業はその後なので、個人に掛かる負担は非常に大きいといってよいでしょう。

唐ゼミ★では、使う小道具は、使う本人が準備します。
もちろん、『錬夢術』の人形のように特別な本人の技術が足りず出来ないものは、
人に頼んだりすることもあります。
『錬夢術』では舞台美術を担当していた関緑が、
舞台美術の傍らに三体もの人形を作り上げる以上を成し遂げました。
ですが、ほぼ八割の小道具については本人が作っています。

本人が作る利点は、作成した本人が一番その道具のつくりに熟知することができることです。
扱い方もどこまで乱暴にしても大丈夫か、本人が一番良く知り、
壊してしまえば、また自分で直す。
人任せではなく、自己責任です。

現在、『盲導犬』で使われるブリキの犬、胴輪、『黒いチューリップ』で出てくるタクシーを
居残りで作成を続けています。
自分が作ったものに愛着がわくということもなく、
親の敵のごとく凄まじい勢いで、あれこれと試行錯誤を繰り返し作っています。

劇場で出来上がった小道具を見る際には、
居残って作られた小道具として見られると、
違った風合いの小道具に見えると思います。

<Toshinobu Adachi>


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