久保井マジック
本日、『盲導犬』の舞台の仮組を行った。
日々作り上げているパネルが、いったいどういった形になるのか、
実際に目にするまで、具体的に映像として想像するのは難しかったのが、
いよいよ目にすることが出来た。
午前中に全てのパネルを組み、これからの舞台美術の方向性を決める。
舞台美術の久保井さんは多忙であるため、横浜までたびたび来ることができない。
そこで、今回はインターネットでのやり取りを行った。
『盲導犬』の舞台美術は、前回の公演を見ていただいたものとは根本的に作りが違う。
前回の美術がパネルの板のような印象を与える舞台であったのに対し、
今回は肉厚のある舞台となっている。
パネル作成などの大きな作業は大体見通しがついてきた。
今度は、いよいよ舞台美術に移ってくる。
ウェブ状の写真と実物とは大きな違いがあるので、
明後日に現れることになっている久保井さんがどういった指示を出してくるか楽しみだ。
○汚し職人
唐ゼミ★の舞台を見ていただいた方々には舞台美術を見ていただくと分かると思いますが、
舞台セットに現実感を起こすために、“汚し”がしてあるのが分かると思います。
これは、意図的に“汚し”を我々が作成してます。
この“汚し”というのは、センスがいります。
経験を積むのがよいのですが、最も必要なのは普段からの観察力です。
山崎雄太。唐ゼミ★内で彼ほど“汚し”のうまい人はいないでしょう。
『煉夢術』の二幕で出てくるバス停の標識を見事に錆び付かせました。
監修である唐十郎氏に、「あの鉄の棒についている標識は危ないから、違うものに代えて」と言わせるほど、
素晴らしいサビをつけたのです(ちなみにその標識は紙管を使っていました)。
彼曰く、「”汚し”にも物語があるので、それを考えればうまくいきますよ」とのこと。
唐ゼミ★の中の作業で、“汚し”職人の重要性は、舞台美術自体に影響を与える重要なものです。
<Toshinobu Adachi>
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