『盲導犬』稽古開始! 新堀、渡辺もダブルキャストで!?

2005年8月10日 Posted in 2006以前

いよいよ新国立劇場THE LOFT公演の稽古が始まった。
二週にかけて日替りで行われる公演がいったいどういったものになるか。
想像もできなかったものが、ついに動き出した。

朝十時に稽古場である花伝舎に集合。
午前中は、午後からはじまる稽古の準備に時間が割かれた。
久しぶりの台詞を相手と合わせてみたり、小道具の手入れをしてみたり、
それぞれがそれぞれの時間を過ごした。

午後一時に『盲導犬』の顔合わせを行った。
新国立劇場の製作の方を始め、様々な方を紹介され、
唐ゼミ★の方も一人ずつ紹介を行った。

さて、その顔合わせが終わると、いよいよ稽古開始。
今回ダブルキャストであるため椎野ヴァージョン、禿ヴァージョン二つの稽古を交互に行う。
なかなか決まらなかった”影破里夫“役を、前回に引き続き、新堀、渡辺が担当するようだ。
”ようだ”というのは、私自身、演出の中野敦之に確認をとっていないからなのだが、ほぼ決定事項である。

初日、二日目の稽古は、とにかく前回の公演で行ったことの復習だ。
お互い合わせて稽古するのも激務の作業によって出来なかったため、
わざわざそのような時間を取った。
台本前半を両ヴァージョン行った。
明日は後半を両ヴァージョン行う。


まだまだ本調子にならない唐ゼミ★劇団員だ。
特別新人公演に出演していないメンバーにとっては、約五ヶ月ぶりの稽古になる。
それぞれに自分の描く物を描けないもどかしさが見える。
だが、稽古を進めるにつれて、徐々にではあるが、それぞれ勘が戻りはじめてきたのは確かなことだ。
演出中野が「二日間で元の役者の状態に戻し、五日間で通しを行えるようにする」といっている。
彼が言ったことは、現実となる。
なぜなら、それが困難であっても不可能ではないからだ。
この二日は劇団員は、作業よりも役者へと変貌期間と変わることになるだろう。
三日後が楽しみだ。


●久保井研の作業を目の当たりにして…
私事のことです。
作業中、舞台美術監督の久保井さんが手を貸してくれました。
長年、唐組に在籍され、役者、美術、照明と多岐にわたる分野を熟知している人のテクニックを
目の当たりにする事が出来たのは、運がいいと言ってよいと思います。

○まず、作る以前の、準備段階で作業に差が見える。
 これは経験によるところが大きいとは思います。
 ちょっとしたことだが、普段気付かなかった事に気付かされる。
 まわりにあるものを使って、自分のする作業が最もしやすい環境を整えていく。
 これができてから、作業に入る。
○次に、作業に入ったときに、精密さへのこだわり。
 何度も測り、確実にその長さになっているかを確かめる。
 当たり前の事ですが、これがなかなかできない。
 わずかなズレを生んでいる事が多々ある。
○後は、出来映えに満足できなければ何度でもやり直す。
 「あ、これでいいのだ」と思わず、自分のイメージしたものにより近づくためにどうしたら良いのか。
 常にこれとどこまでつきあえるかだ。
 それがどんな作業や物事にしても。

久保井さんに魅せられたのは、私が以前やった作業と同様の作業を、
私がやったときの約四分の一の時間でやってしまったことだ。
これには、頭が下がるばかり。
正確に、短時間で作業をこなす。
最も理想的な作業と言えるでしょう。

この経験を生かし、明日以降の作業に役立てようと早速思っているところです。
汗を流していた久保井さんに感謝しつつ、いい勉強をさせていただきました。

●音響
本日から稽古ということで、『盲導犬』の音響担当の田村団が機材を操作しはじめた。
不慣れな機材で、かつ大きな機材であるから、苦戦すると思われたが、
唐ゼミ★で使っている機材と同様の操作が出来ているようだ。
稽古は支障無く進める事が出来る。
新国立劇場付きの音響担当の福澤さんが唐ゼミ★の担当を務めてくれる。
九月からの稽古では、毎日のように顔を合わすだろうが、
現在は花伝舎での稽古のため合わす事はほとんどない。
唐ゼミ★で機材に関して深い知識はもっていないので、
これを機会に色々教わりたいところだ。

<Toshinobu Adachi>


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