休日はどう過ごす?
8月13日。
劇団唐ゼミ★は約三週間ぶりに休日となった。
作業に追われ、移動に追われ、稽古に追われる日々からようやく一日だけ解放される。
休日を劇団員は、それぞれが、それぞれの過ごし方をしているだろう。
個人の衣装、小道具の買い出しをしたり、疲労した体を十分に休めたり、
気分転換に街に繰り出してみる者もいるだろう。
●伊吹卓光と小川尊
さて、稽古の方だが、伊吹卓光が小川尊に挑んでいるが、まだまだどうなるか行方が分からない。
演出中野は、伊吹に稽古をつけてはいるが、最終的な判断はまだ下していない。
どういった結果になるか、劇団員も見守るしかない。
小川の方は、自分の稽古を積極的に進め、時間が空けば伊吹の稽古を見てあげている。
小川にとっては、自分のやった役であり、今回もやることになっていた役だ。
劇中での動き、相手との関係、台詞など誰よりも熟知している。
既に出来上がっている関係を、小川が説明し、伊吹はそれを吸収しながら稽古は進んでいる。
短い稽古期間の中ではあるが、どういったものが出来上がるのか。
小川も気になるところであり、伊吹はがむしゃらに挑んでいくしかない。
●山崎雄太の挑戦
山崎雄太。
唐ゼミ★の舞台を見ている人にとってもあまりなじみが無いかもしれない。
唐ゼミ★には、昨年の唐ゼミ第八回公演「黒いチューリップ」で、カップルの客で舞台を踏んだ。
大学一年生の終わりから演劇を始めたことになる。
高校では柔道部で体を鍛え、大学で唐ゼミ★に入団するまで、横浜国立大学の映画研究会で
映画の撮影などしていた。
唐十郎最終講義の唐ゼミオムニバスで、初めて長ゼリフに挑戦し、
特別新人公演「煉夢術」では、癖のある役をやってのけた。
裏方の作業では、舞台美術の関緑の信頼も厚く、汚しで唐十郎にあっと言わせた事もある。
その山崎だが、今回『盲導犬』において、前回、前田裕己、土岐泰章がやったフーテンの役に挑戦している。
しかも、今回は、フーテン役はダブルキャストではなく、
一人で禿ヴァージョン、椎野ヴァージョンをやることになりそうだ。
日々の稽古で、悪戦苦闘を繰り返している。
舞台上にいる事の多い役である。
一度にあれこれと考えると処理しきれなくなる。
山崎自身、多量の情報量を処理しきれずに苦しんでいるようだ。
器用な役者であるので、なんとかするだろうとは、思っているが…。
今後、どういった変貌を魅せるかは分からないが、短い間に自分のものに出来るかが、勝負だ。
<Toshinobu Adachi>
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