やれるときにやるべし
今日は休日返上の作業日でした。
劇団員以外の人たちは当初の予定が休日であったため、ほとんどの方が来れなかったです。
皆、生活と演劇の狭間で葛藤している事が目に見えて分かります。
朝から始まった作業は、まず明日から始まる『黒いチューリップ』の稽古のために、
それまで『盲導犬』のセットであった舞台をばらす事から始まりました。
その後、『黒いチューリップ』の舞台を組みたてます。
『黒いチューリップ』は三幕からなる戯曲で、舞台セットも三つあります。
その中のまず二幕を組み立て、舞台美術の久保井さんにチェックを入れてもらいました。
実際の小屋に入ったときの状態を想定し、紙面上では推し量る事の出来ない細かな修正を入れ、
また美術に関しては、自ら足らない部分を付け加えた修正を行いました。
少し久保井さんが手を入れただけで、ぐっと引き締まる舞台に感慨もひとしおです。
また、唐ゼミ★では知らなかった実績と経験の成せる技を随所に見せてもらい、大変に勉強になります。
一つの”汚れ”でも、幾多もの”汚れ”方がある。
気付けば分かる事も多々あるのですが、往々にして皆気付かないものです。
“単純は最善”。
これをもう一度見返すと、見えなかったもんが見えてくるでしょう。
実際、久保井さんは目の前でそれを見せてくれる師匠だ。
”見て盗む”。
これを実行するときです。
劇団唐組の久保井研さん
舞台監督の鳥山昌克は、昼から埼玉の奥地へ丸太をとりに、
唐ゼミ★の渡辺、杉山を引き連れていきました。
本数として、百本近い丸太を夕方に運び入れてきました。
この丸太が何に使われるかと言うと、新国立の小劇場の中に、舞台小屋を作り出すためのものです。
テントの芝居をしている我々にとっては自分たちの舞台空間を作るのはごく当たり前なのですが、
あまり慣れていない人には、なじみのないもののようです。
とはいえ、百本もの丸太を小屋だけに使うわけではありません。
どのように使うかは、ご来場いただければ全て分かる事と思います。
劇団唐組の鳥山昌克さん
さて、明日からの『黒いチューリップ』の稽古。
キャストの人数がこれまでの公演で最大となります。
押し合いへし合い、どういったものが作り出されるか。
出演する自分も楽しみでなりません。
<Toshinobu Adachi>
トラックバック (0)
- トラックバックURL: