縦への対話。横への会話。
2005年10月 2日 Posted in 2006以前
本日、『黒いチューリップ』三日目を迎えた。
ちょうど公演としては、『黒いチューリップ』の折り返し点だ。
日々、観客と作り上げていく公演も、残り半分。
どこまで劇自体が伸びていくのか。
それは楽日を迎えれば分かる事だろう。
新国立劇場という我々にとっては特殊な空間に慣れてきた。
今回の小劇場THE LOFT公演用の会場は観客の反応を舞台上で直接肌で感じにくい空間だ。
笑いが起きていても、舞台上で聞こえない事が多々ある。
また、照明の光量もテントで使うものよりも多いため、
観客の顔を見る事が出来ない。
これでは、観客がどのような反応しているのか分からず、やりにくい。
劇自体を作る上で、役者同士の会話と観客との対話を重要視している我々にとっては、
致命的であると言っても良いかもしれない。
だが、これにも柔軟な対応を見せている。
観客との対話が成り立たないときも、テント芝居の中では公演中に必ずある。
各役者は既にそれを経験している。
これに対する対処法は既に分かっている各役者は、それぞれのやり方で
それぞれ観客との対話を始める。
これはまた、『盲導犬』でも同様の事が言えるだろう。
まだまだ、我々の公演は未完成かもしれない。
だが、未完成ゆえに、未知の可能性を秘めている。
<Toshinobu Adachi>
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