10/10(土)台風の記憶⑩〜2014年10月『木馬の鼻』大阪公演

2020年10月10日 Posted in 中野note
このシリーズも本日が最終日。

2014年10月13日(祝月)を控え、
スーパー・タイフーン「ヴォンフォン("スズメバチ"の意)」は
確かに強力だが、すべてをなぎ倒すというほどではなさそうでした。

そこで、昨日にご紹介した『子連れ狼』最終決戦プランから、
これまでやってきたトラック演劇の構造をいかに残すか
という思案に入りました。

まず、楽屋用のテントをお客さんに提供し、
皆さんができる限り雨と風をを凌げるようにする。
その上で、4トントラックのアルミバンをレンタルし、
機材の避難場所や劇団メンバーの楽屋としました。
ついでにトラックは、風向きを読みながら劇場の上手に駐車して、
風防壁とも、様々なものをロープでくくり付ける巨大なウェイトとも
なってくれました。当然、照明も音響も必要最小限に絞り込んで。

当日の昼頃、交通機関のストップ情報が続々と舞い込んできました。
同時に、嵐の千秋楽を楽しみに来るお客さんからの確認の電話も。

「東京から行こうとしてるんだけど、やるよね?」
「今から九州を出ます!」

結果的に集まったお客さんは合計13名の猛者たちでしたが、
そのうちの何人かは遠方から。そういった皆さんのおかげで、
私たちは輪をかけて気持ちよく、退路を断つことができたのです。

あとはもう勢い。
大雨が降り、大風も吹きましたが、合羽を着て屋根の下から見守る
ギャラリーを前に、私たちは完全燃焼しました。

こんな感じで↓

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前座パフォーマンス。雨の日のプロ野球よろしく、
左側の俳優・木下藤吉はグラウンド全体を使って執拗なスライディングを行う。

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当時は気付かなかったけど、このギターは大丈夫だったのか・・・

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トラックが走り去るエンディング。地面全体が川のよう。

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客席は避難所状態。人数は少ないが異様に盛り上がっていた。

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カーテンコール。ここにきてようやく、寒さと雨の冷たさを急激に実感。

・・・という具合でした。
終演後はお客さんと出演者スタッフで「お互いに頑張ったね」と
称え合い、缶ビールを配って意地で乾杯までやりました。

その後、夜中にどこまで片付けをし、どうやって宿舎に皆が帰ったのかは、
まったく憶えていません。

何がなんだかわからなかったけど、
私はようやく2012年9月30日の借りを返すことができました。
トラウマを乗り越え、再び胸を張ることができるようになったのです。

今度の『唐版 風の又三郎』がどうなるか、
時期的には台風シーズンを抜けているでしょうが、
テント演劇はその場に起こるすべてを肯定して武器に変えるのが基本。
何があっても、上演を貫くことが基本であることに変わりありません。

あとは、今晩の台風が被害を及ぼさないことを願うばかりです。

オマケの写真は、翌日の片付け。
私たちが踏み荒らしたグラウンドをひたすら整備しました。
台風一過で暖かく、空は気持ちの良い秋晴れでした。
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