10/14(金)カンタベリーへの旅②

2022年10月14日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
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↑花と伝記とCD。出世作『マイスタージンガー』とブリテン2曲。

そのバス停で降りる者は自分しかおらず、
そこからの道に歩道はなかった。
行き交うのは自動車のみで、これが田舎道らしく半端ないスピード。

語学学校をサボって良かったと思った。
帰り道が暗くなれば轢かれかねない。

20分ほど歩くと、教会があった。
ネットで調べた時に毎日オープンと記されていたが、
案の定、扉は固く閉まり、周囲に人の気配なし。
が、幸いなことに墓石の数は少なかったから、
ひとつひとつ、心に余裕を持って確認していけた。

一通り見回して、無い。
すると、散歩中の老父婦が通りかかったので、彼らに訊くことができた。
二人はグッドオール自体を知らなかったけれど、
もう1箇所、付近に同じ教会付きの霊園があることを教えてくれた。

そこを訪ね、半分くらいの墓石を見て回ったところに、目的のお墓はあり、
その老夫婦もこちらの発見を一緒によろこんでくれた。
見つからなかった役場に尋ねることもできるよ、
と言ってくれた優しい旦那さんでもあった。

花を手向け、本とCDを並べてパソコンでDJした。
彼が専門としたワーグナーの序曲をいくつか。
若い頃はベンジャミン・ブリテンとの共同作業で名を馳せたから、
彼が初演した『ピーター・グライムズ』も。

ブリテンのCDは絶版でプレミアもついていたが、
ヘリフォードで叩き売っていたのを中古屋で見つけたものだ。

到着したのが午後2時半過ぎ。
1時間くらいして肌寒くなってきたので、カンタベリーに引き上げた。
霊園の周辺にワイナリーがいくつもあるらしく、
車を飛ばす人たちはそこの職員さんのようだった。

カンタベリーでピザを食べ、大聖堂での夕べの祈りに参加した。
合唱隊は少女のみ。まったく力まず、声を張らないのに、
言葉が明晰で力のある合唱だった。

この場所の教会音響を知り尽くしているのだ。
指揮をしていた青年はすごくおとなしそうで、
はっきり言えば頼りない感じがしたけれど、すごく敏腕な指導者なのだ。

帰り道は油断しまくり、電車を乗り間違えて遠回りしながら帰ってきた。
午後10時に帰宅。

↓カンタベリー大聖堂の前で
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