10/25(金)赤坂の『ジャガーの眼』にて

2024年10月25日 Posted in 中野note
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↑豪華パンフレットの中にあった、あの人物相関図。あれを描いて
レイアウトした人たちは相当に偉いと思いました。これだけ整理した
ものが共有させていれば、芝居づくりに良い設計図になったでしょう


この前の火曜のことですが、新宿梁山泊の『ジャガーの眼』を
観に行きました。赤坂というのはあまり馴染みのない土地ですが
赤坂サカス周辺が舞台版『ハリー・ポッター』に染まるなかに
見慣れた紫テントがあって、威勢の良いテント芝居の声が
聞こえるというのはなかなかの痛快事でした。

『ジャガーの眼』には、さらに言えば金守珍さんの演じる
ドクター弁には圧倒的な思い入れがあり、1998年に深夜放送で
流れた状況劇場初演のこの演目こそ、自分にとって横浜国大で
教えているという唐十郎を目指すきっかけでした。

やっぱり、あの東京音頭の替え歌とか、
「論争、論争」という歌は何度聴いても笑えます。

それに、今回は光栄なことにご用命が来て、
当日パンフレットに文章を書かせてもらいました。
きっと他にも大勢の人たちが書いているんだろうと思って当日を
迎えてみたら、座組の外から寄稿しているのは自分だけで、
金さんに何か託されたような気がしてありがたさが増しました。

終演後は金さんから、状況劇場在籍時に唯一、唐さんから金さんに
向けて当て書きされた役柄が「ドクター弁」であることを聴き、
驚きました。もっともっと金さん用の役があるのだと思っていました
から。でも、唯一が『ジャガーの眼』というのはすごいことです。

同じ回の観客には親しくしている眼医者さんがいて、
その先生に「角膜移植の話だから、リアル・ドクター弁ですね」
と話を振ったら、「移植した角膜を再移植するなんてあり得ないよ!」
と答えが返ってきて、大笑いしました。

芝居の内容に引っ掛けて、こういう話をするのは至福の時間です。
唐さん本人も「おかしいよね」と言って笑うだろうと想像します。
おかしくて、真剣。真剣だけど可笑しい。そういう箇所にツッコミ
ながら芝居づくりするのは、唐十郎作品の醍醐味といえます。

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