10/4(火)失くしたものの数々

2022年10月 4日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
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↑生き残った片割れ。これがあれば当座は困らないが。

イギリスでどれくらいの落とし物をしてきただろう。
日本にいるのとは違いリカバリーが難しい。
語学力の不足、旅先での出来事であることが原因だ。

公演前も、こういったアクシデントはよく起こる。
忘れ物や落とし物をしてしまう。
いつもは正常稼働していた機械類が故障する。
運転中に交通違反をして切符を切られてしまうことも、ままある。

それらに対処しつつ、いちいち落ち込まないようにしてきた。
公演準備は非日常のことなので、自分でも気づかぬうちに浮つく。
ちょっとしたトラブルが起こるし、スムーズに運ばないのが普通だ。
経験とともに観念し、アクシデントを想定してやりくりするようになった。

イギリスでも、いくつかのものを失くしている。

耳かき。これはエジンバラで失くした。
地元、天王町の薬局で売っているかなり良いやつで、
ダメージを受けた。イギリスのスーパーや薬局では
そもそも耳かき自体を見かけないのでAmazon.UKで買って補った。
が、もちろん精度は及ばない。

ぜんそくの薬。これはラドローで失くした。
ストックがあるが、ひと月分くらいを失くしたので、
1日2回の吸引をしばらく1回に減らして補った。

文庫本。
これは、ロンドンのグローブ座付近の路上で落とした(と思う)。
岩波文庫に『大した問題じゃないが』という20世紀初めに
イギリスの新聞に載った名エッセイ集がある。
3分の1を読み残して落とした時、続きが気になった。
が、タイトルに励まされて悔しさを克服した。
大した問題じゃない。

・・・『少女仮面』の最後の方で、
ヅカファンの少女たちが春日野に服や髪の毛を返す場面の
せりふみたいだが、このような具合である。

いずれも致命傷を帯びるようなものではないが、
日常の便利や楽しみが少しずつ損なわれてきた。


先週末に、コンセントの変換プラグを失くした。
大小2種類の部品から構成されているこのアイテムのうち、
メインでない小さい方を失くした。イギリスでは残りの大きい方で
機能するので問題ないが、追い詰められた感じはする。

変換プラグについては、警戒して2個持ってきた。
全部失くしたらPCとケータイの充電ができない。死活問題だ。

実は、ラップトップももう一台持ってきている。
何年かに一度、自然に壊れるし、置き引きに遭うかも知れない。
そう思ってのスペアだ。

2006年に『ユニコン物語 溶ける角篇』をやっていた頃、
室井先生はサバティカルで数ヶ月間ヨーロッパに行き、
置引きか何かでパソコンを失くした。

「大問題が起こった!」という悲壮な連絡を受けた覚えがある。
あんな風になるのは絶対にイヤだと思ってもう一台持ってきた。

ただし、スペアは今回のように
グリニッジに定住しているだから可能な技だ。
常に移動しながらの一年だったら荷物が増えて仕方がないから、
スペアを持ち運ぶ余裕は無いと思う。

あと、サバイバル力を磨く機会を失っているのかも知れない、
とも思う。人間、その気になれば現地調達できるはずだ。
あるいは、諦めてそれ無しで生き抜く強さも育まれる。
そういうチャンスを放棄しているとも言える。

残すところ90日を切っているが、まだトラブルはあるのだろうか。
ちなみに今年は厄年だが、折に触れ、イギリスまで厄年は及ばないと
自分を励ましながら生活してきた。

占いにも弱い。ああいう言葉にはなんとなしに縛られてしまう。

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