10/4(金)嘘と文学性

2024年10月 4日 Posted in 中野note
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↑唐さんが読んだのは、改訂版であるこちらの翻訳かも

昨日、『若きウェルテルの悩み』の話を書いて思い出したのは
唐さんが横浜国大を退官するときに行ったスピーチです。

講座の最後、唐教授は木馬に乗って登場、
壇上でスピーチ、『少女仮面』の劇中歌『時はゆくゆく』を歌い
窓から去る、という趣向でした。

そのスピーチで、唐さんはこんな話をしました。

「授業を終え、校舎を後にしようとして振り返ると、
3階の窓辺に夕陽を浴びた中野くん、椎野ちゃん、禿ちゃんの
影が見えます。あれこそ、現代の若きウェルテルなんだと思いました!
さようなら、横浜国大。さようなら、7年半!」

と言ってい生バンドによる伴奏は開始されました。
続く歌も見事だったのですが、気になったことが。

・・・僕らがいた唐十郎研究室は5階なのです。
唐さんは明らかに百も承知で「3階」と言っていました。
おそらく、語呂が良いから。

世の中にはついて良い嘘、ついた方が良い嘘のあることを知りました。
私が23歳の時のことです。

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