1/10(金)それぞれに格闘している

2020年1月10日 Posted in 中野note
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林麻子がダンサーの方たちと柔軟をしています。
鏡に映るのは、この写真を撮っている齋藤。演出助手で参加しています。

今日は、『NIPPON・CHA! CHA! CHA!』公演の初日です。
今頃、皆さんで幕をあけた喜びに浸っているところでしょうか。

私は別件があり、他所でこれを書いていますが
劇団員が外で緊張しながら他流試合に挑んでいるのを想像すると、
胸が熱くなります。

皆さんも、ぜひ応援してやって下さい。

自分はすでにこの台本を読んでいますが、
これまで縁の薄かった如月小春さんのイメージが変わりました。

なんというか、どちらかといえば洗練された雰囲気の
インスタレーションの創作家だと思い込んでいたのですが、
意外にも、内容が熱いんですね。

『スクールウォーズ』的と言ったら良いのか、
つかこうへい的な熱さと言ったら良いのか、
バカバカしさの向こう側にある生真面目さ、真剣さに溢れた作品です。

昭和の終わりに書かれた如月さん流の日本人論なのですが、
律儀で、慎ましくて、健気で、愛すべき日本人が、
マゾヒスティックに頑張り、敗れていく物語です。

マゾヒスティックな日本人論といえば、
三島由紀夫の『サド侯爵夫人』を思い出します。
一見、典雅で高貴に思われがちな作品ですが、
要は、サド侯爵の夫人として苦労を重ねるルネが、
一番のドMだったという話です。

サドが社交界で放蕩を重ね、世間からの避難を浴びるごとに、
ルネは口では不安や心配を述べ立てながら、
実際はどんどん美しさを増していきます。
さらに大切なのは、そこに表現様式としての日本の新劇が重なること。

金髪のカツラをかぶってパテで鼻すじを通し、
一生懸命フランス人に近づこうとしている日本の俳優たちが、
愚かしくも美しく描かれるわけです。

今日の『NIPPON〜』はもちろんもっと青春運動的で、
もう三日もご飯を食べていないからますます労働に燃えて頑張る。
給料が何ヶ月も未払いだからこそ、さらに会社に尽くそうとする。
そんな日本人の美徳を体現する青年たちを描いた、汗と涙の物語です。

自分も週明けに観ます。


今日は『唐版 風の又三郎』台本づくりの苦労を、
ここに書き付けようと思ったんですが、とんでもないですね。
もう、台本の量は多ければ多いほど最高です。幸せだなあ!


↓オマケで、仕事中に真剣そのものの齋藤。
 口元がややほころんでいますが、ヤラセでは全くありません!
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