11/10(金)『腰巻お仙 忘却篇』のことも思い出してしまった

2023年11月10日 Posted in 中野note

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↑3月に初演して面白かったので4月にも上演しました



『腰巻お仙』シリーズについて想いを馳せていると、

これが台本としてはなかなか破天荒だけれど、

実際に上演してみると笑いが多く起こって、

稽古の現場までもがとにかく面白かったことが思い出されます。


正確にいうと、

『腰巻お仙 義理人情いろはにほへと篇』の頃は自分たちがまだ青くて、

余裕がなくて、しゃっちょこばってばかりいたので、どうにも

硬かったのですが、30歳に差し掛かる頃から徐々に余裕を覚え、

ふてぶてしさ、図々しさが身につくようになり、

お客さんもよく笑ってくれるようになりました。


なかでも思い出深いのは学生たちとつくった『腰巻お仙 忘却篇』で、

これはもう、稽古のさなかにも膝から崩れ落ちるほど笑いました。


あの時はなにしろ、集まった学生たちがすこぶる優秀だったと

思わずにはいられません。彼らは地面に埋められたり、

人形を使って屋上から飛び降りたフリをしたり、

チケットがわりの石を投げつけられたり、

照明が壊れたという設定で自転車を漕ぎ続けて

共演者に必死のライトを浴びせたり・・・。


とにかく真面目かつ余裕を持って演じてくれました。

ふざけているのではなく、杓子定規すぎもしない。

要するにそれはユーモアに満ちていたということです。


書いていてさらに思い出しましたが。

1メートル以上の高さのある帽子をかぶったり、

リアカーをくくりつけた自転車を転がして坂道を全力で駆け降りたり、

自分の転がすリアカーに轢かれたり、

バリカンで頭に星型のハゲをつくったり。といったこともしました。


自分が本読みWSで『ジョン・シルバー』シリーズを熱心に

取り上げつつも、『腰巻お仙』シリーズを避けていたのは、

これらの現場感がちゃんと伝えられるか心配していたからだと

思い至りました。でも、本読みだって、実際に声に出しさえすれば

あのウキウキ感がやってくるのではないかと思い、やってみたいと

考えるようになりました。おどろおどろしく受け取られがちな

演目ですが、あれこそ世の中を明るく照らす芝居です。


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