11/15(金)はじまりの『下谷万年町物語』

2019年11月16日 Posted in 中野note
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もっとも好きな台本は?と問われたら『下谷万年町物語』と答えます。
もちろん、『木馬の鼻』は別格!

私たちが初めて浅草で公演した演目が、この『下谷万年町物語』でした。
何日か前にこのブログにも書いた「キティ瓢田」という変わった名前のヒロインが出てくる台本です。
初演はPARCO劇場のこけら落としとして行われ、
当時は演劇集団円の若手だった渡辺謙さんがメジャー・デビューし、
多くのエキストラを募って上演されたのがこの芝居でした。
演出は蜷川幸雄さん。

冒頭に挙げたように、もっとも好きな唐さんの演目は?と訊かれたら、
これと答えます。
もっと壮大な作品も、もっとまとまった作品も、さらにロマンティックな作品もありますが、
3人だけの弱小劇団「サフラン座」が打って出ようとするこの芝居が、
たまらなく好きです。

もっとも、初めてこの芝居を意識した時にはそんなストーリーすら読み解けず、
ただ、朝倉摂さんの舞台写真集に載った記録を見て、憧れていました。
自分が高校生の頃です。

台本の収録されたこの単行本を手に入れたのは、大学に入って数ヶ月経った頃。
当時はインターネットを知らなかったですから、
日曜日に住んでいた横浜の上星川から神保町に行き、
血まなこになって探し出しました。
確か、小宮山書店で買ったのだと思います。
唐さんと同じ年に横浜国大の先生になった今は亡き大里俊晴先生が、
私の古本屋巡りにおける指南役でした。

初めて台本を読んでから約10年後、
物語の舞台である浅草で、
唐ゼミ☆はこの大作に挑むことになります。




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