11/15(火)唐さんの勝ち

2022年11月15日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
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↑プライベートでは賭け事をしない(と思う)唐さんだが、
私たちも親しくしている望月六郎監督のこの映画に出演している。
『新・極道記者 逃げ馬伝説』。唐十郎フリークの人はぜひ見て欲しい。

前回の唐ゼミ☆本読みWSを読んでくれたHさんから投稿が寄せられた。
それによると、競輪場の車券売り場のシステムについて、
唐さんは正しかったらしいのである。

『ベンガルの虎』2幕に出てくる「2-3」窓口。
つまり、2番と3番に一着二着を賭けるための車券売り場窓口が
固定されているのはおかしいのではないか、という私の意見は、
当時の実際を知る人によると完全に間違っていたらしいのだ。

正しくは、数字の組み合わせによって窓口は固定されていたらしい。
そうすると、本命ガチガチの窓口には長蛇の列ができ、
およそ勝ちそうにない大穴の窓口は閑散とすることになる。
「そういうことなんですか?」とHさんに伺ったところ、「その通り」との
回答が寄せられた。

そういうわけで、唐さんは完全に正しかったのだ。
Hさんのおかげでまたひとつ勉強になったし、次回の本読みWSで
修正しなければ!

考えてみれば、コンピューター管理される前の風習は、
後の時代を生きる者からしたら想像を絶して手間がかかっていたのだ。
『黒いチューリップ』に出てきたパチンコ屋の玉出しシステムもそうだし、
かつては芝居のチケットを買うために、わざわざ劇団事務所を訪ねる
必要があったのだ。

『ベンガルの虎』に話を戻すと、これはなかなかイマジネーションが
膨らむ話である。要するに、それぞれの売り場窓口には個性があって良い
ということなのだ。町内の全ての赤ん坊を取り出した産婆にして、
伝説の車券売り場窓口員である「お市」のいる2−3番。
こういうのは舞台美術を考える際の個性の持たせ方に直結する。

またしても良い話を聞いた。Hさんに感謝。
そして、唐さん、ごめんなさい!

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