11/24(水)わたしの知恵袋

2021年11月25日 Posted in 中野note
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呉茂一さんの文庫本を読んでいます。『世界の神話入門』。
先日、関内の有隣堂に平積みされているのを発見しました。
昔に絶版になっていたのを文庫化して、最近に出たものらしい。
最近、実務で煮詰まっているので、一息つくために買いました。

小さい頃からプラネタリウムと『聖闘士星矢』、
『ファイナルファンタジー』に親しんできた私は神話が説話が好きで、
折に触れて世界各地のものに触れてきました。

2020年2月に残念ながら亡くなった横浜ボートシアターの
遠藤啄郎さんは、面白い先輩演劇人であるというだけでなく
この趣味を共有し、未知の話を披露してくださる方でした。
それまで疎かったアジアや中東、アフリカの神話について、
遠藤さんは教えてくれたのです。

唐さんはといえば、ホメーロスが好きです。
かつて、文芸誌のアンケートで好きな作家を訊かれ、
『イリアス』『オデュッセイア』のホメーロスと
『雨月物語』の上田秋成が自分のあんちょこだと答えています。

現在の岩波文庫は松田千秋さんによる散文訳ですが、
昔は呉茂一さんの韻文訳で、唐さんが親しんだのはこちらでしょう。
私も韻文の方が、スピーディーに読めるので好きです。

タイトルに「入門」とあるこの本、なかなかの内容です。
殊に、呉先生が専門のギリシャだけでなく、日本の神話や説話を
たくさん例にあげて両者を対比しているのが面白い。

読んでいると、唐さんが2004年秋に上演した『眠りオルゴール』で
言っていた「私、『トロイ』という映画を見ました・・・」という
ユーモラスなせりふまでもが甦ってきます。

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