11/27(水)長屋の住人は長屋で集める

2019年11月27日 Posted in 中野note
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野毛近く、大岡川沿いにある都橋商店街、ここが面談の場所でした。
1964年、東京オリンピックの年に整備された飲食店が連なる長屋。
今日、近くを通ったので撮影!

能雄さんの話をしながら、思い出しました。
私たちは『下谷万年町物語』の出演者を募る時、
とにかく、普通のオーディションや面談は避けようと考えました。
普通のやり方では、私たちが考える乾坤一擲の芝居はできない、
そう直感したのです。

ずっと劇団員だけでやっていましたから、同じとまではいかなくとも、
何かそれに迫るような、少し変わった、特別な出会い方をしたかった。
そこで思いついたのが、この場所でした。

この中の一軒「はる美」は、知り合いが週末だけやっているお店で、
平日は閉まっていました。
そこで、このお店を出会いの場所にするべくお願いをしたところ、
特別に協力してもらえることになったのです。

出演者募集のチラシを撒いて、興味を持った人が電話をかけてくる。
そうすると、
「毎週水曜日にバーをやっているから、そこに会いにきてください」
と誘うのです。
◯月◯日(水)19-20時は誰々、という感じでスケジュールを組む。
あとは、
台本と、ちょっとしたツマミとお酒や炭酸水を用意して待っていると、
様々な人がこの環境を怪しんだり、緊張しながら訪ねてくれました。

この面談、
次の人の時間になったから交替で店を出なければならない、
ということはなくて、
ただ、新たにやってきた人がここからの1時間の主役の時間ですよ、
という感じで運営しました。

週によって、3人も4人も立て続けに会う日もあれば、
この日は1人だけという時もありましたが、
けっこう楽しく、にわかバーテンをやりました。

劇団のお客さんが、会いにきてくれることもあり、
割と繁盛した日もあります。
時には間違えて入ってくる本物のお客さんもいましたが、
そういう人は「すみません、今日は劇団のミーティングなんです」
とお断りしました。
行商の人が、大福やちょっとしたおもちゃを売りに来るのも、
大いに楽しみました。

明日は、浅草での『下谷万年町物語』を目指すために、
ここで繰り広げられた出会いや話題について、
思い出してみましょう。

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