11/3(祝火)2度目の全幕通し稽古

2020年11月 3日 Posted in 中野note
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↑スタンバイする丸山正吾。
ウォーフにはこのような大きな窓があり、気になって覗いて行く人もいます。
昨日は3幕終盤をずっと観ているおじさんがいました。
さすがに観過ぎだと感じて音響席から睨み付けると、おじさんは
頷いてさらに前進。窓にへばりついて観続けた挙げ句、
やがて頭を下げ、手を振って去りました。
良い人なのかどうか、まるでわからない!


本日は若葉町WHARFをお借りしての稽古。

先日までの川崎H&Bシアターのように舞台装置を持ち込んだり、
衣裳や小道具を持ち込んだりはできませんが、
川崎での修正の結果を受けた2度目の通し稽古を行いました。

今回は劇団員の新木遥水とちろがダブルキャストで
「老婆」役に挑んでいるので、新木がこの役をやるバージョンの
通し稽古でもあります。

川崎は天井も低く、音響的にはデッドな空間でしたが、
元銀行であるWHARFは反響が大きいですから、
以前よりも演技に対する力の込め方が違います。

同じ熱演でも、ボリュームに託して開放的にやるのでなく、
より内向的にして、声の大きさよりも滑舌を重視するよう
集合時に伝えて臨みました。

どこの劇場でもそうなのですが、
音の反響はお客の入りによって変わります。
夏と冬では、冬の方が衣類が厚く、また量も多いので、
よりデッドになります。

テント劇場の場合、これに天候の影響が大きく加わるわけですが、
今回は特に、換気力を確保するためにテント側面の下の方を開けて
臨みますので、当然、音の返しは少なくなります。

人間の体は頭で意識せずとも自然に環境に順応しますから、
お客さんを前にすれば、自ずから皆さんにせりふを聴かせたいと実感し、
周囲の環境に対応しながらそれを実行するのが役者の本能ですが、
みんなの場合は、もっと戦略的にそういうことを考えて欲しいと
いつも思っています。

結果的には、WHARFという環境は、
稽古を積み重ねて疲れの蓄積している皆の喉には優しく、
また、自分たちのせりふを改めて聴くにもってこいの場でした。

上演時間は、2度の休憩を入れて3時間5分ほど。
終わって18時を回ると、気温が急激に落ちてきました。
建物の一階なので底冷えもするので、修正や微調整の作業は明日に行います。

明日で稽古は打ち上げ。
『唐版 風の又三郎』について、物語を進行させ、
唐さんが執筆時に思い描いた衝動をかたちにする作業は、一区切りします。

そして、これからが重要。
上記のような「型」ができたところで、テント設営の中で喉を休ませつつ、
どうしたらこの「型」に魂を込めることができるのか考えるのです。
熱くて、身を切るような魂を一気にこの「型」に流し込む!

ここからが、新たなスタート地点と云えます。

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