1/14(火)『唐版 風の又三郎』リーディングWS 3日目+全体
2025年1月14日 Posted in 中野note
↑参加の皆さんに紹介したロダンの『地獄の門』。上野の西洋美術館の
前にあり、唐さんが幼少期に見た地獄とはこれのことと思われます。
帝国探偵社の扉をつくるのに参考になります。上野に行くことが
あれば、ぜひ見てください。屋外にあるので無料で覗けます
『唐版 風の又三郎』リーディングWSが終わりました。
3日目は、まずは読み残したp.64-80を読んでいきました。
エリカと織部がどのように協力関係を結び、エリカが片想いする相手
=乗り逃げで亡くなった高田三郎に会いに行くため、死者の国へと
通じていそうな織部の傷ついた耳の中に入る。
耳の中に入ると、帝国探偵社の内部が見え、
そこで繰り広げられている幻燈会を見る人の中に、件の高田がいる、
けれど、高田のとなりには親密そうな少年もおり、エリカはフラれて
しまう。一方、織部は、スケバン姉妹の妹・梅子の顔を傷つけた
濡れ衣を着せられ、ヒロイックな冒険やその結果を期待していた
エリカ&織部は現実の厳しさに愕然とする、という終末を迎えます。
・・・というところまでを一時間ほどで読み、
それから休憩を挟んで、通し稽古に備えた練習をしました。
ここでは音響を入れますよ、とか、劇中歌の練習とか。
この短期間で劇中歌を歌うことは難しかったと思うのですが、
皆さん、休憩時間に練習したりして、最後の通し読みに備えて
緊張感が高まっていきました。
15:20からは通し読み。
70分強かけて、3日間の読み込みを反映した本読みが展開できました。
聞いていると、皆さんがこの作品の基本設定、つまり、人物の背景や
行われている駆け引きをよく理解してくださっていることがわかり
ました。わかるから、次に表現につながります。
今はつっかえてしまったとしても、言い淀みがあっても、
まずは内容把握しているかどうかが大切です。
せりふは、分かるところから。その意味で、よく理解されている
メンバーによる本読みでした。
終わった後は、良かったところ、直すともっと良くなるところに
ついてお話をしました。つまり、これは実に普通の稽古です。
劇団でもまったく同じようにやりますよ、ということも
お伝えしました。
最後に、皆さんにも少しずつお話ししてもらいました。
中には質問される方もいて、「物語に出てくる『月光町』とは何か?」
という問いも頂きました。これについては、その後に良い仮説が
浮かんだので、明日に書きます。
皆さんのおかげで、私の頭の中も『唐版 風の又三郎』でいっぱい
です。1幕のみだと、当然ながら物語的には解決せず、問題を多く
残して2幕に続きます。ムズムズするので、4月下旬に2幕もやって
みようと考えています。GWのうち、唐組とかぶらない3日間を
使ったら良いのではないかと構想中です。
こうした開催は初めての試みでしたが、今後も行っていきます。
唐十郎作品についてよく知っている人が増えるのが、とても嬉しい。
もちろん、いつか3幕もやって、『唐版 風の又三郎』を完結させたい
とも思います。
ご参加の皆さん、どうもありがとうございました。
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