1/17(火)桃山邑さんの納骨式

2023年1月17日 Posted in 中野note
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↑崇禅寺本堂 入り口のカラーコーン。よく見るとお地蔵さんがくり抜かれている。
このセンスに接して、さすがは桃山さんが頼みにしたお寺だと唸った


1/15(日)に羽村市に行ってきました。
去年に亡くなった桃山邑さんの納骨式に参加するためです。

桃山さんの具合が悪いと聞いたのは、去年1月末に渡英して
約ひと月が経った頃のことでした。
それから5月の公演に向けて出たチラシには「桃山最後の野戦攻城」とあり、
桃山さんは新聞取材を受ける中で自らの病状を語っていました。

自分はロンドンから、多くの関係者が羽村に桃山さん最後の舞台を訪ねるのを
眺めていることしかできず、その後、10月半ばに桃山さんは亡くなりました。
イギリスでできることもなく、実感を持てないまま過ごしてきました。
帰国後、桃山さんの納骨式があることを知った時、すぐに参加を希望しました。

桃山さんの死を実感したのは、羽村の崇禅寺に着いて席に座った時でした。
水族館劇場の関係者はいるのに、桃山さんはいないのです。
それまでどうにもピンときていなかった自分は、
桃山さんがいつも一緒にいた人たちの中に桃山さんが不在なのを感じて、
ようやく桃山さんが亡くなったのを体感しました。
いつもカーテンコールで一人一人の名を叫んでいた桃山さんの声と、
あの独特の話し方の訛りを遠くに感じました。

お坊さんによる式の進行は水族館劇場と桃山さんへの理解に溢れるもので、
古風とポップが入り混じっており、この方に支えられて桃山さん最後の
公演が成ったのだと、温かな気持ちになりました。
その後、桃山さんのお骨は共同の墓地に納められました。

係の人が重い石板をずらして骨壷を納める作業をしているのを見て、
しばしば舞台の床下に役者が入ってく水族館の芝居を思い出しました。
それから、一人一人お線香を手向けました。

私の理解する水族館劇場の主義からして、桃山さんは劇団の代表らしきもの
ではありましたが、一劇団員として自分を貫いてきたのだと思います。
カーテンコールで役者・スタッフすべてを同等に紹介していましたし、
だからこそ、桃山さんが亡くなっても水族館は続かなければならない。

仮設の舞台を組んで公演する場所の確保、
土地を運営する方から理解を得ることは、ますます難しくなっています。

桃山さんは崇禅寺への埋葬を望むことで、最後に大きなお願いをしたのだと
思います。水族館劇場をよろしくと桃山さんが言っているようでした。
次も、次の次も、水族館劇場の公演が続きますように。

同じ仮設の興行を目指す者として強く望みます。
桃山さん、ありがとうございました。これからも期待しています。

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