11/9(火)『アリババ』一巡目を完了!
2021年11月10日 Posted in 中野note
↑ヤフオクにこの『アリババ』舞台写真が出品されている。価格は9,000円。
ポスターとか写真の類には、手を出さないようにしています。
高くって!
唐さんの初期には謎めいた演目がいくつかあって、
正確に作品番号を振るのは難しい。
街頭劇『ミシンとコウモリ傘の別離』
『渦巻きは壁の中をゆく』『腰巻お仙 百個の恥丘』
『月笛葬法』など、謎めいた演目がいくつかあります。
まさに試行錯誤の段階と云えます。
20代半ばの唐さんが初めて手応えを感じた作品はといえば、
『ジョン・シルバー』がそうだったのではないかと、自分は考えています。
自分が生まれ育った戦後や下町と行ったバックグラウンドと、
遠くにあって憧れていた文学上の人物が交差する。
完全なオリジナルではなくて、組み合わせに唐さんの妙がある。
その後、原作や元のキャラクターがいる作品名を、
唐さんはいくつも生み出します。
先月まで私たちが取り組んでいた『唐版 風の又三郎』も勿論同じ。
そんな唐さんが『ジョン・シルバー』の次に書いたのが、
『アリババ』でした。原作は『アリババと四十人の盗賊』。
唐さんは主人公「アリババ」を、父親になりきれぬ一人の男として
描き出しました。このあたり、生活に染まらずにあくまで冒険に固執する
「シルバー」と酷似しています。
ははあ、そういう事だったんだな、と、
今回初めて重点的に研究してみて、かなり腑に落ちました。
同時に、この台本には、すでに『腰巻お仙』シリーズや
『少女仮面』をも射程に収めた伏線が張られています。
上演時間60分ほどのコンパクトな劇ですが、
内容がギュッと詰め込まれています。
サイズから云っても、堕胎して捨てた子の復習を恐れる若夫婦
という内容からしても、興行にかけにくいのは明らかですが、
こういうものを探究できるような場をつくれないかな、と思います。
これから誤字脱字チェックや、劇団員との本読みの素材にします。
その上に、果たして発表の場を組むことができるのか。自分への宿題です。
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