12/11(木)エイコとヒデコ
2025年12月11日 Posted in 中野note
引き続き『アリババ』を読んでいます。
若く、貧しい夫婦のお話です。四畳半ものというやつです。
かぐや姫の『神田川』に象徴される風俗の所産といえます。
戦後世代が成人し、非正規雇用であるアルバイトが普及すると、
同棲が盛んになります。それでいて、コンビニのない時代です。
避妊のための道具は現在より手に入りにくい。
覚悟なき妊娠と堕胎を数多く生んだにちがいありません。
そして、『アリババ』のような台本が生まれるわけです。
主人公の男女、宿六(やどろく)と貧子(ひんこ)は、
五ヶ月の「英子」を堕胎したと言います。
この五ヶ月というのがかなりリアルで、これ以上大きくなると
中絶が難しくなるギリギリの時期なのです。
ところで、この「英子」、なんと読めば良いのでしょうか。
この前の新宿梁山泊の上演では「エイコ」と読んでいました。
すっきりとしたカッコ良い響きの読み方で、なかなかハマって
いました。が、私はどうもこれを「ヒデコ」と読んでみたい気に
かられています。なぜなら、唐さんの本名は「義英=ヨシヒデ」
なのです。まだまだ世間に認められていなかった疎外感を、
唐さんは「英」の字に託したのではないかと想像したくなる。
「エイコ」か「ヒデコ」か。
そう思い悩んでいると、こんな箇所に突き当たりました。
老人 英子の手は窓に吊るしてある?
女 ええ、ここ。
老人 英子ももうすぐ来るよ。
女 英子が?
・・・まさか、ダジャレ!?
「エイコ」と読めばダジャレが完成してしまう。
ひょっとして、やはり「エイコ」なのか?
今日はずっと悩み続けています。
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