12/12(火)フランチェスカよ、先に言え!
2023年12月12日 Posted in 中野note
↑フランチェスカ・レロイさんに一年ぶりに会いました
去年、ロンドンで出来た外国人の友人に、初めて日本で会いました。
彼女の名はフランチェスカ。研修先だったThe Albanyで行われていた
シニア向けワークショップ "Meet Me"にボランティア・スタッフとして
参加していた女性です。
※"Meet Me"とは、高齢者たちが集まって美術創作や合唱を練習をするもの
研修のかなり終盤に出会ったフランチェスカは、
自分は作曲家であり、2023年に日本で演奏会があることを
教えてくれました。それが12/10(日)に自由学園明日館で
行われたのです。せっかくロンドンから来て、しかも彼女は
演奏会全体の企画者でもある。これは大変なことだと感じましたし、
彼女が事前に丁寧なお誘いメールをくれたこともあり、
本読みWSの日にちを振り替えて出かけることにしました。
結果、その会はすごく良かった。
日本の女流作曲家に焦点をあて、トークを交えながら演奏を聴かせ、
最後にはフランチェスカの新作を初演するという趣向でした。
また、その新作の内容が振るっていて、
大逆事件で殺された伊藤野枝の詩を薩摩琵琶にのせて歌うという
ユニークなものでした。演奏を聴くと、フランチェスカの発想が
よくわかります。
つまり彼女は、平家物語などの軍記物を琵琶法師が語ったように、
伊藤野枝という女性の闘いを琵琶に乗せたかったのです。
社会的な戦争→個人の戦争を琵琶で語るというアイディアが面白い上、
野枝の日常のストレスを琵琶にのせる歌うと、
その大仰さが笑いにもなるのです。
あいつが許せない!キーッ!
みたいな部分をフツフツとした琵琶のノイズと弱音でやられると、
コミカルでもありました。
ああ、フランチェスカはホンモノなのだなと思いました。
当日に配られたパンフレットで経歴を見ると、日本で賞も獲っている。
さらに驚いたことに、谷崎潤一郎の『鍵』をもとに作品をつくっている。
・・・要するに、彼女は谷崎潤一郎や伊藤野枝を読みこなすくらい
日本語ができたのです。日本人でも彼らを読む人は少ないというのに。
必死に英語でやりとりしてたことがバカバカしくなりました。
先に言えよ、フランチェスカ!
次に来日したらまた会おうと伝えました。
文学、自分はけっこう詳しいよ!
少なくとも、葉山の日影茶屋に案内してご馳走するくらいはできるよ!
そう日本語で伝えました。
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