12/15(木)Albanyのカフェで

2022年12月15日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
お土産もの.jpg
↑ こちらでの毎日が溢れている品々

昨日は水曜日だった。
The Albanyでは毎週水曜15:00にカフェで集まりがある。
別になんの強制力もない会。おやつとコーヒーが出るので、
オフィスにいる人、その時間に余裕がある人はカフェに集まっておしゃべりする。

今年のAlbanyはあまりに忙しかったから、これは今月の頭から始めた習慣。
昨日はミミと約束があり、特に時間前に余裕を持って行くようにして、
パソコン仕事をテーブルに座ってしていた。

すると、みんな集まってきて、いつもより盛んにコーヒーを勧める。
妙に熱心だから、進行中のメールづくりを中断して輪に加わった。

いつもはもっとフリーな雰囲気だけど、
不思議に思いながらコーヒーを注いでミルクを入れようとしたら、
自分のためにちょっとしたセレモニーと贈り物の時間が始まった。

来週、忘年会があると聞いていたから、その時がお別れで
その時に挨拶しようと思っていた。だから、これは不意打ちだった。
みんなの中には、今週末で仕事を終えてクリスマス休暇に入る人もいる。
だから、昨日になったのだ。

みんなの前で挨拶をして、Albanyの素晴らしさと感謝を伝えた。

ここは建物は小さいし、煌びやかな作品をいつもやっているわけではない。
けれど、日常を大切にしている。
今日も、周辺地域の人たちが望むことをやって、
多くのクリエーターたちが間借りした事務所で新たな展望を語りあって、
いつも活気のある食堂やパブのような劇場だ。

プレゼントを開いたら、
一年間のフェスティバルの中で体験してきた全ての事業のチラシ、
一緒にした作業の合間に食べて私が「美味い!」と気に入った現地のお菓子
(スーパーで売っているやつ)
私がいつも食べてみんなにもプレゼントしていたパン屋のパン、
自分が発見してみんなに教えた近所のカフェのキャンドル、
この作家が好きと話していた英国作家のビンテージ本などが入っていた。

こういう人たちなのだ。
彼らは、日ごろ自分とした会話をよく覚えていてくれて、
その証言を持ち寄って、今日のプレゼントを仕立ててくれたのだ。

ロンドン市から受託したフェスティバルのおかげで、
今年のAlbanyスタッフがイギリス人にあるまじき忙しさだった。
折に触れ、何人かに「もっと一緒に食事したり、出かけられなくてゴメンね」
と言われてきた。
その度に私は「気にしないで。おかげで、たくさんの催しを体験できるから」
と返事してきた。

プレゼントを見て、彼らが、自分との限られた時間、
なかなか上達しない英語でのコミュニケーションの中でも、
いつもこちらに興味を持って、注意を払ってくれていたのが伝わってきた。

英国は契約社会で競争も激しい。
何人かは契約を終えて劇場を去り、何人かは契約更新の是非を巡って
これから打ち合わせに入る。すでにステップアップを決めた人もいる。

けれど殺伐とせず、上記のような配慮を忘れない。
だからこそ、常に緊張感を持って自分の腕を磨いている。
システムや制度や肩書きや役割で振る舞うのではなくて、
人間の裁量を常に重視している。

これからの目標がはっきりと見えてきた。
なぜ自分が唐さんやテント演劇が好きで、
神奈川の仕事をするようになってからも、なぜ各地を走り回って、
シニアや障害者の人たちとの企画をつくってきたのか。
その中で何を押し通そうとしてきたのか。はっきりわかってきた。

トラックバックURL:

コメントする

(コメントを表示する際、コメントの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。その時はしばらくお待ちください。)