12/17(木)祠(ほこら)の時間⑧

2020年12月17日 Posted in 中野note
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↑友人からお歳暮を頂きました。福井県の名物へしこ!

一昨日に『紙芝居の絵の町で』の話をしました。

唐さんの執筆を思う時に改めて驚くのは、
取材に赴いた先で確実に着想を得る、その打率の高さでした。

唐さんはいつも小さな創作ノートにメモされていましたが、
それはさすがに覗いたことはありません。
ご本人がその小ノートをヒラヒラさせていたこともありましたが、
なんだか、見てはいけない世界のように感じるのです。

実際、『紙芝居の〜』の時には、
一日都内を歩き回っただけで、
例の使い捨てコンタクトレンズを発見されたのです。
確実に獲物を仕留める手練のハンターのようでした。

しかし、そんな唐さんも珍しく難渋されたことがあります。
伊藤静雄の件でお話しした、『泥人魚』を執筆された時。
あの時には、都内どころか結構な遠方まで出かけられた結果、
空振りだったと帰って来られました。

確か、あの時は福井県に行かれたという記憶があります。

構想段階では寡黙になり、多くを語らない唐さんです。
他人に喋れば、インスピレーションが逃げてしまう、
常々そうもおっしゃっていましたから、詳しいことを
伺うのは憚られましたが、どうやら、原発について
アンテナを張っていらっしゃった。

その後、気を取り直した唐さんは諫早に向かわれ、
見事、圧倒的な評価を得た『泥人魚』をものにされました。
廻り道の甲斐があったとも言えます。

そんな風に、たまにする空振りがかなり印象に残るほど
命中率が高い唐さんに改めて恐れ入りますが、
一方で、先の福井行きが上手く作品に結実していたらと想像すると、
現在の原発を巡る状況を思って、ドキドキしてきます。

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