12/17(金)ほおずき市と朝倉さん

2021年12月18日 Posted in 中野note
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人間、長く生きていると色々な持ちものが貯まりますね。
同じようなボールペンが引き出しの中にうなっていたり、
飲み残しの薬がもう二度と飲めやしない感じで引き出しに眠っていたり。
なぜか缶バッチがいくらもあったります。

キーホルダーやストラップもそうです。
さして自分で買ったわけでもないのに、何かの景品でもらったか、
何故だかペン立ての底の方に隠れている。

最近、間も無く3歳になる娘が上の写真のものを発見しました。
ほおずきのストラップです。確かにこれは自分で買ったもの。
久々にこれを見て、2012年の夏に買ったのを思い出しました。

今ワークショップで取り組んでいる『吸血姫』に、
唐ゼミ☆が挑もうとしていた時のことです。
浅草の恒例行事のひとつである四万六千日、
ほおずき市の時に買ったものでした。
稽古しながら眺めていた記憶があります。

思えば「四万六千日」というまことに便利な行事があることを
私は『下谷万年町物語』以来、浅草に通うようになって知りました。
そこでは、赤や橙の混じったほおずき市がたち、屋台がずらり並んだ
光景の壮観さに驚いたものです。

当時、齢90歳に迫った調子を悪くされていた朝倉摂さんへの
お見舞いを考えていた私は、さっそくご自宅にほおずきを送りました。
ちょっと刺激的な色合いや鉢物がどうかとも思いましたが、
摂さんは下町のご出身なので、馴染みがあって良いと思ったのです。

ほどなくして、喜ばれた摂さんからお礼のハガキが届きました。
「うんと良い芝居をつくってください。わたしも負けないから」
とありました。約60才も年少の私に対し、巨匠のこの闘志。
感激したのを覚えています。

そんなことも、ストラップのおかげで思い出すことができました。

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