12/17(火)さらに「無意味」の世界
2019年12月18日 Posted in 中野note
↑神田松之丞さんと立川談志さんの『慶安太平記』
車を運転する機会が増えてから、さらに音楽を聴くようになりました。
ジャンルは滅茶苦茶で、クラシック、ワールドミュージック、ポップス、
ジャズ、落語、講談、浪曲、朗読、講演会まで、様々です。
中でも、私は語り物が好きで、
目的地まで小一時間もあれば
「あ、『慶安太平記』でも聴けるかな」と、
ちょっと得した気分になる。
『慶安太平記』は由比正雪を主人公にした物語で、
正雪が並居る豪傑・知恵者を集めて幕府転覆を企て、
やがてその計画に失敗するというお話しです。
「由比正雪」といえば、
唐さんも同名の芝居を書いています。
1968年、結果的には前年に発見した
花園神社を出ていくことになった演目で、
唐さんには珍しい時代劇でもあります。
そういう風に、関連付けながら聴くことは愉しい。
唐さんの『由比正雪』では、
ヒロインは四谷シモンさんの演じた「お銀」だけで、
かなりコミカルの度合いが強い役柄です。
何故かと言えば、
当時、状況劇場のヒロインだった李礼仙さんは、
後の大鶴義丹さんを妊娠中だったんですね。
言ってみれば産休中だったわけです。
そういうわけで、唐さんの中でも
かなり男っぽい作品になっています。
大島渚監督の『新宿泥棒日記』を観ると、
当時の上演の様子を、数シーンだけですが、
窺い知ることができます。
と言っても、カメラが入ると俄然張り切って、
思わず芝居がかってしまう唐さんのことですから、
きっと上演には無かったこともやっているに違いない。
特に、時代劇には付き物の立ち回りの末に、
男二人が太鼓橋の上で逆立ちをしてから、
川の中に落ちるシーン。
観ていただければわかるのですが、
昨日に書いたような「無意味」のオンパレードで、
かなり印象に残る場面ばかりです。
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