12/19(土)私の祠の時間〜また一つ資料が届く

2020年12月19日 Posted in 中野note
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ここ半月ほど、唐さんの執筆風景について
私の知っていることをお話ししてきましたが、
続けながら、これが実に、
汲めども尽きせぬ話題であることが分かってきました。

細かなことを挙げればキリがなく、また、
それらエピソードのひとつひとつが私にとっては面白い。
唐さんの着眼や執筆時の様子は決まって、いつもスリリングです。


話題はちょっと飛びますが、
昨晩に帰宅したところ、ここ数日待ちかねていた
1973年4月27日号のアサヒグラフが届いていました。

同じ年、状況劇場が敢行した『ベンガルの虎』バングラデシュ公演の
ルポルタージュを収めたものです。
まだメセナや助成金制度が確立していなかった時代の話です。
唐さんは、ご自身が劇団から捻出した資金と、
このような原稿書きの腕で海外遠征を成立させていたと伺いました。

30歳過ぎの唐さんが書いた文章は、
いかにも武張っていて、一党を引き連れて
慣れぬ土地に分け入っていく座長の緊張と興奮を伝えています。

明日のワークショップで取り上げる『唐版 滝の白糸』もそうですが、
1973〜1974年の唐さんの多作ぶりには天を仰ぐほかはありません。

『盲導犬』『ベンガルの虎』『海の牙』
『唐版 風の又三郎』『唐版 滝の白糸』『夜叉綺想』
テレビドラマ『追跡 汚れた天使』→お蔵入り
ラジオドラマ『ギヤマンのオルゴール』→戯曲として『ガラスの少尉』

これら綺羅星のような作品群の中で、
私にとって残されたただ一つの未知の戯曲こそ『ベンガルの虎』。
いつの頃からか付いたサブタイトル『白骨街道魔伝』に
象徴されるように、東南アジアの闇と湿度が迫ってくる台本。
主な舞台となる台東区入谷町、終幕で繰り広げられる朝顔市の
軽妙さとのバランスも冴え渡っています。

これが年末年始を引き籠もって過ごす際の愉しみになりそうです。

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