1/22(金)雪子とローラ
2021年1月23日 Posted in 中野note
↑何か写真をちょうだいと重村にリクエストしたら、これを送ってくれました。
ヒロインを見事に演じた美仁音とのツーショット。
昨日、『少女都市からの呼び声』を観てきました。
テントでなく、劇場で唐組の設えた舞台装置を観ていると、
それがなんとも可愛らしく、物語の内容と相まって
いかにも "おとぎ話" という感じがしました。
今回の上演、これぞ「決定版!」と言いたくなる仕上がりでした。
この世に生まれてくることが叶わなかった少女を描いた物語が求める
繊細さ、慎ましさが行き届いていて、それゆえに寂しい。
寂しすぎる観劇後の感覚が頭にこびりついて、今も離れません。
まだ大学生だった頃、
唐さんはこの物語のヒロイン「雪子」について語る際、
テネシー・ウィリアムズの代表作『ガラスの動物園』に登場する少女
「ローラ」のことを話してくれました。
片足が不自由であるために、外を出歩くのを好まないローラ。
引っ込み思案で、自室にガラス製の動物を集めて動物園をつくりながら、
その中にあるユニコーンに愛着を寄せるローラ。
もしも唐さんご自身が『ガラスの動物園』を演出するとしたら、
ローラに不自由な片足を補助するための金具をつけて、
それが少し錆びいているために、舞台に現われる時には
小さな摩擦音をキシキシとたてるような芝居にしたい、
そうおっしゃっていました。
そして、『少女都市からの呼び声』の主人公は、
そういう少女であって欲しい、とも。
今回の雪子は、まさにそういう雪子でした。
テントとなればもっと荒事に寄ったでしょうが、
街場の雑居ビルの一室で、ひっそりと愛でるように観る上演こそ、
儚いこの劇に相応しいように思います。
帰り途の寒さまでもが劇の世界の続きのようで、
なんだかありがたく感じられました。
重村も頂いた役が持つ戦後の記憶をよく体現して、頑張っています。
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