12/2(金)9つ持っている

2022年12月 2日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
プロジェクション@Catford.jpg
↑寒空の下で屋外プロジェクション。スタッフが手分けして誘導

猫は9つの命を持ち、女は9匹の猫を飼っている。
前半は古代エジプトから伝わる言葉。
後半は17世紀イギリスの神学者トマス・フラーが付け足した。
・・・なかなかの名言だ。

猫の心はかくも気まぐれであり、
女性の心はさらに輪をかけて移ろいやすい。

昨日の晩、Catford=キャットフォードに行った。
アーケードの入り口に巨大な猫の像を持つこの街は
ルイシャム区の中心地であり、ここには市庁舎やタウンホールがある。

街の中心にある通りでパブリックプロジェクションが始まった。
初日をお祝いして、大きなパブでセレモニーも開かれた。

作品は、大気汚染を訴えるものだった。
人間の体内にいかに汚染された空気が入り込み、
時間をかけて堆積しながら人々を蝕んでいっているのかという映像。

ルイシャム・カウンシルのある庁舎から窓越しに映像を打ち込み、
向かいにある壁面に投射した。ここは南北と東西に進むバスが行き交う
交通の要所だから、両建物の間にはひっきりなしの車通り。
そのモクモクとした排気ガスを貫く仕掛けだった。

ロンドン市、ルイシャム区、Albanyの面々、
プロデューサー陣、アーティストたち。彼らを囲むロンドンのマスコミ。
日没後の気温は7度。1時間くらいスピーチやインタビュー、写真撮影が
行われた。

↓右側がパブ Ninth Life
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その後、近くにあるパブ、その名も"Ninth Life"のパーティールームを
貸切にしてセレモニー。スピーチが連続する会はこちらでは珍しいが、
何人かの偉い人が「長かったフェスティバルもあと1ヶ月。これからの
未来につなげて行こう」と語って、自分に日本を思い出させた。

それにしても、"Ninth Life"。9番目の命。
さすがキャットフォードのネコ像の向かいにある名物パブのネーミングだ。

Albanyのスタッフたちもこの店は初めての人が多く、
何人かとユニークな店名の話になって、私は冒頭の格言を披露した。
「それには続きがあって、女性は・・・」

みんな一様に笑っていたけれど、
それを私が知ったのが、10代の頃に見たテレビ番組
『恋のから騒ぎ』だったとは伝えようもない。

あの頃はバブル経済の香りがまだ残っていた。

新團十郎さんの奥さんと義理のお姉さんも、あの番組から出てきたのだ。
よく考えたら、番組タイトル自体もシェイクスピアの影響。
知的な番組だったのだと今にして思う。

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