12/20(金)小屋番列伝①『黒いチューリップ』
2019年12月20日 Posted in 中野note
懐かしいチラシ↑
私たちはテント芝居が基本スタイルの劇団です。
ですから自然と、公演は春と秋ということになる。
春は4月から、秋はせいぜい11月までというところです。
私はよく「小屋番(こやばん)」、要するに夜警をしますが、
ことに11月夜中のテントは冷えますから、
上着をなんでもかんでも重ね着して石油ストーブにかじりついていました。
数あるテント番歴の中で印象深いいくつかを、
これから数日に渡って書いてみます。
まず印象深いのが、2004年の秋にやった『黒いチューリップ』の時です。
まだ唐さんが教授として大学におられた最後の方の公演でした。
あれはなかなかに面白い芝居で、
「引きこもり」という現代的なテーマを背負っていますので、
技量を上げた現在の状態でぜひ再演したいとも思う作品ですが、
その1幕の設定がすごく奮っていました。
舞台はパチンコ屋です。
数あるパチンコ台の中に、いわゆるチューリップの部分が黒い1台が、
ステージのセンターにある。
そして、その黒チュー台の裏には、
手動で玉を供給している女が住んでいる、という物語でした。
で、ヒロインの「ケイコ」という女が住む部屋が畳2枚くらいの、
なかなか良い感じのひと間なのです。
芝居を上演する時は照明で照らすために、
この部屋には天井はありませんでしたが、
上演終了後は、いそいそとヨシズで簡易の天井を張り、
そこにストーブを持ち込んで私は暮らしていました。
ヨシズは通気性が良いので一酸化中毒にはならない。
しかし、なんとなしに暖かいのです。
愛らしくて住み心地の良い部屋だったと、今でも思い出します。
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