12/22(火)電車と唐さん①
2020年12月23日 Posted in 中野note
数年来、車での移動が増えて、電車での移動が激減しました。
それに伴い、本を読む量が減り、音楽や語り物を聴く頻度はうんと増加。
たまたまこのような境遇であることは、
コロナが猛威を振るう状況ではありがたいことです。
そのようなわけで、車中はウキウキと読書。
唐さんの著作『風にテント 胸には拳銃』という
『唐版 風の又三郎』パレスチナ公演、
『ベンガルの虎』バングラデシュ公演のルポルタージュを
久々に読み返しました。
唐さんの描写は、極めて非日常的です。
非日常的な地域に遠征している最中の描写なので、
そんな非日常性も当たり前といえば当たり前ですが、
それにしても激しい。ちょっと紹介すると、
バングラデシュの女は雌虎だ。
昔より伝わりし、追いはぎの国の女だもの、
男に追いはぎをさせている黒幕は女に決まっている。
・・・こんな具合です。
さしもの唐さんとはいえ、
これはちょっとカマし過ぎなのではないかと思いながら
数々の描写を愉しみました。
常に妄想にかられているように見える唐さんは、
同時にかなりリアリストであると、私は思っています。
妄想や詩的なものに酔っていない冷静さを、唐さんに感じます。
一方で、見えないものを見えると嘯いているわけでも、
意図して作り話を捏造しているわけでも、もちろん無い。
唐さんの云うことをどこまで信じ、また疑うのか。
そのあたりのバランスは大変おもしろいことだと
電車に乗りながら考えました。
そのあたりも絡めながら、これから数日、
電車と唐さんについて思い出すことを書いてみたいと思います。
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