12/31(金)暗雲よ来い!

2021年12月31日 Posted in 中野note
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あと3時間弱で2021年が終わろうとしています。
今日は総括の1日として、掃除をし、運動をし、読書をして、
次に研究するべき台本に当たる時間を過ごしました。

今年を思い返してみると、
1月からKAATの仕事に揉まれていた記憶が濃く、
配信番組の作成に3月までを費やしました。
その間、2月上旬には海外研修の2次試験があり、
久々にガチンコの面接試験を受けました。

上の写真は、文化庁での面接直前にトイレで撮影したものです。
当時は企画が目白押しで、特に配信の仕上げ段階でしたから
ひっきりなしにショートメールや着信があり、緊張している暇も
ありませんでした。それが良かったのかも知れません。
3月に無事、合格。

しかし、これは試練の始まりに過ぎず、
その後の私は、突貫で英語を仕込んでくれるコンサルタントに
ついてもらい、1日2.5〜3時間の勉強を課せられることになりました。
ジョギング、ゼミログに加え、新たに加わったルーティンは、
4〜10月にかけての睡眠時間を一気に奪っていくことになります。

また、試験の結果を受けて2021年度末に日本にいないことが決まり、
KAATの仕事は比較的ゆるやかにしようと思っていた矢先、
3月末に突如、劇場の広報業務も担うべしという指令が下りました。
これにもずいぶん追い込まれることに。

4月からは、慣れない広報業務と英語学習に四苦八苦しながら、
唐ゼミ☆公演の準備を始めました。当初は新宿での再演目指して
いたものの、コロナの社会的影響は2020年度よりも一層うつろいやすく、
すべてが未決定のまま時が過ぎていくことの苛立ちを、
夏の盛りまで募らせることになりました。

春から初夏にかけて、KAATの新たな仕事のペースをやっとつかんだ
ところで、立て続けの公演に突入していくことになります。
6〜10月こそ、私にとって過去に例を見ない過密日程でした。

ドリームエナジープロジェクトの『凜と生きる』公演。
『シーボルト父子伝』公演。『棲家』リーディング公演。
そして、自分の本丸である唐ゼミ☆公演『唐版 風の又三郎』が
グルグルと駆け巡る混沌の夏でした。

その間に展開してきた唐ゼミ☆ワークショップは、
『盲導犬』『ガラスの少尉』『続ジョン・シルバー』と続き、
懐かしい演目と再会しながらその価値や面白さを今の自分から検証し、
これまでの唐ゼミ☆を振り返る機会ともなりました。

あれは確か『ガラスの少尉』の時でしたが、
他の公演の稽古があるためにどうにも横浜に戻って来ることができず、
仕方なく池袋のマンガ喫茶からワークショップをしました。
当然、個室。しかし、演目の熱に当てられた自分の声量はいや増しに
高まり、電話でフロントから注意を受けながらのWSとなりました。
ヒヤヒヤしつつも、今となっては面白い。

車の中からWSを実施した回もあります。
辻堂あたりにある神社の駐車場で、電灯の明かりを頼りに行ったのは
夏の盛り。かなり虫に刺されました。

正直にいうと、今年は10月で燃え尽きてしまった感があります。
しかし、消耗した体力を振り絞って、11月からビザの申請に入りました。
これがなかなかの難事業、文字通りの無我夢中で、あっちこっちに
ぶつかりながらようやく申請を終えたのが12/23のことです。

あとは、年明けのKAAT×横浜国大 連携講座の準備をしつつ、
日常的な仕事をコツコツとして、渡英の準備を進めています。
メガネの予備を買っておこうとか、ハードディスクにバックアップを
取ろうとか、ケータイを新品にしていこうとか。そんな具合です。
子どもたちが生まれてから、特に一緒にいるように心がける日々でも
あります。上の子と一度、映画館に行ってみたい。お正月の小さな目標です。

今年は『棲家』を関わったことから、太田省吾さんの戯曲や文献を
重点的に当たりましたが、唐さんの作品については、
『ベンガルの虎』『アリババ』『二都物語』をよく研究しました。
唐さんが文化功労者に選出されたことは、この上ない慶事です。

先日から『鐵假面』の写経をはじめています。
唐ゼミ☆では2007年にこの演目を上演しましたが、なぜか台本データが
残されていないのです。優れた台本なのに、これではWSの題材にできない。
そこで、もう一度台本を作りつつ、研究し直すことにしました。
72〜74年の唐さんについて重点的に考えようと思います。

渡英の日程は、ビザ申請の難しさによって、
当初目論んでいた1/17から1/31にずれ込みました。
かくなる上は、例え毎日の新規感染者数が10万人を超えようと、
イギリスが外国人の入国を制限しない限り、自分は突撃する気でいます。

今日、神社の前を通ったら、明日から自分の本厄が始まるのを知りました。
「暗雲よ来い!」
学生時代、『ジョン・シルバー』を初めて上演した時に唐さんが
私に送ってくださったこのメッセージを、今こそ思い出す時でしょう。
2022年、暗雲よ来い!

今年もありがとうございました!!!

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