12/8(木)お別れの始まり

2022年12月 8日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
フォークソングのリーダー.jpg
↑右から、司会でヴァイオリン奏者の女の子、リーダー、リーダーがハモる時の
パートナー、自分。そういえば、誰も名前を知らない!?

ああ、お別れの始まりだなと思った。
何をすれば良いか、何が観られるのかよくわからなかった初期の頃とは違い、
今ではロンドンのさまざまな催しをキャッチできるようになった。

だから、昨日も4択あった。
いつものウィグモアホールでバロック音楽を聴く。
ロンドンの南に小一時間行ったところの地方都市にルーマニアの楽団が来ている。
ヴァージニア・ウルフの『オーランドー』が都心の劇場でかかっている。
そしてAlbany近くのライブハウスで行われるフォークソングの集まり。

悩んだけれど、4番目を選択した。
2週にいっぺん、火曜日の夜に開催されるこの会に何度参加してきただろう。
春までは欠かさず、夏場になると遠出やAlbanyの催しが重なって少し遠のく。
秋になって戻ってきたら、集まる人がずいぶん増えて、歌を楽しむより
飲み会の雰囲気が強まった。

まだ12/21にもあると思ったけれど、ひょっとしたらと思って
いつものMatchStick PieHouseに行ったら、冒頭に「今日が年内最後です」
というアナウンスがあって、やっぱり来て良かったと思った。

大人数が集まって超密度、
ホットワインの香りが充満し、揮発したアルコールに頭がクラクラしたけれど
クリスマスソングを皆が思い思いに持ち寄ったステキな会だった。

上手い人、素朴に一心に歌って味わいがある人、
騒ぎ屋の若者、いかにも腕に覚えがあるというおじさん、
色々な人がいるけれど、時間が経つと酔っ払って、一人の歌に
歌と楽器で次々に相乗りしていくインプロが始まって、
期待していた通りの面白い会になった。

この中で自分は、いつもオーガナイザーの女性が歌うのを楽しみにしてきた。
4年前にこの会を始めたという彼女は、いつも少しだけ仕切って、
あとはみんなが歌うままに任せて、でも、流れが途切れると、
自分が静かに歌い始めた。彼女が歌うとみんな静かになって聞き耳を立てる。
それだけの突出した声質と歌唱力を持っている。

正直に言うと、日に一度か二度歌う彼女の歌のために、
自分は熱心に通ってきたようなものだ。
あとは、日本では決して得ることのできない全体の雰囲気。

最後に挨拶をして、写真を撮ってもらった。
例えイギリスに来たとしても、今後この会への参加は至難だろう。

ひとつひとつ行うお別れがついに始まってしまったと思わずにいられなかった。

↓この空気感はまさしくここだけのもの。
フォークセッションのはじまり.jpg


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