12/8(金)大野さんに会えた

2023年12月 8日 Posted in 中野note
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↑ブリュッセルに聴きに行ったコンサート。終演後の大野和士さん

今日は初めて、
指揮者の大野和士さんに会ってお話しすることができました。
お話しといっても、ほんのご挨拶程度でしたが。

所属されている事務所の方々や、以前からお世話になっている
神奈川県庁のOBの方、県民ホールの同僚など、
皆さんのおかげで、大野さんに会うことができました。

私が大野さんの仕事に注目するようになったのは
2011.7.24に京都でマーラーの3番を聴いたのがきっかけでした。

あの時、室井先生の主催する北仲スクールという大学の
サテライトで働いていた私は、クシシュトフ・ヴォディチコという
現代美術家の招聘に躍起になっていました。

それがあまりに煮詰まったので、なんだかピンときて、
ほとんどヤケクソで、京都まで行くことにしたのです。
当時、私はクラシック音楽を聴き始めたばかりで、
確か、自分でチケットを買っていくコンサートとしては
3回目だったと思います。

大野さんのマーラー3番は、
第一楽章が終わった瞬間から、今日はすごいことになったと
確信させられる体験でした。その後に第二〜第六楽章が続いて、
生き切った人生の後に、動物になり、植物になり、
この世界をわたり歩いて、天界に召されていく思いがしました。

最終の第六楽章に入ると涙が止まらなくなり、
でも、それは情緒的なものではなく、ひたすら巨大なものに触れている
感触によるものでした。柔よく剛を制す、上善如水、であるべしと
言われているようでした。あまりにすごかったので、
帰りに美味いもんでも食べようという考えすら放棄して、
さっさと京都駅まで行って帰りました。

自分には、あのコンサートだけで充分すぎるほど充分でした。

私がそれまで比べ、
格段に台本を読むようになったのは大野さんの影響です。
量ではなくて、一本の劇を細部に至るまで読み込むということについて。

以来、大野さんが手がけるオーケストラを、オペラを、
レクチャーコンサートを聴いて現在に至ります。
ありったけの御礼を言いたかったけれど、そんな時間はなく、
それはまた今度にしようと思います。

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