12/9(木)お屠蘇という霊酒
2021年12月10日 Posted in 中野note
「とそさん」と読み、あのお正月やひな祭りなんかに嗜む「おとそ」と
いうのは、本来的にこれであるらしい。
中を見れば、何やら謎めいた生薬が紅茶のティーパッグのように
詰められて入っている。今度の年末年始に使ってください、
ということのよう。説明書きによれば、
大晦日にこのティーバッグをお酒かみりんを入れたものに沈め、
一日かけて成分が溶け出すのを待つ。
明けて元旦にこれを飲むと身体に良い、とあります。
「屠蘇」の「屠」は「屠殺」の「屠」。
なかなか迫力のある字を用いたものだと思ってきましたが、
屠(ほふ)られるのは邪気であって、私たちには、実に良い活力が蘇る。
こういうことのようです。
「みりん」を飲む、という行為には何か憧れがありますね。
子どもの頃、漫画『美味しんぼ』で、肉体労働者たちが
昔ながらの製法でつくられた「みりん」を夏場によく冷やして呑む
場面があり、なんとなく旨そうだと思いました。
また、好きな落語の演目に『青菜』というのがあり、
私はこれを小田原出身、柳家三三さんの独演会で聴き惚れて
さまざまなバージョンをCDで愉しむようなりましたが、
ここにも「みりん」を飲むくだりが出てきます。
みりんを焼酎で割ったものを、関西では「柳蔭(やなぎかげ)」
関東では「直し」という。これを植木屋さんがお金持ちの旦那に
ご馳走になる場面。これも実に旨そうです。
が、家にある料理用のみりんを見ても、これを直接飲もうという
気にはちょっとなれません。一升瓶なんかで売っている本格派
ならば違ってくるかも知れませんが。
私は酒が飲めませんから、これからなるべくみりんを求めて、
どうしても良いものが手に入らなければ、日本酒で、
大晦日にやってみようと思います。
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