1/4(水)日本での仕事を再開

2023年1月 4日 Posted in 中野note
イブン・バットゥータのカーテンコール.jpg
2022.8の演奏会。北アフリカから東南アジア、中国に至る奏者をサヴァールは
揃えた。本を読みながらあの音楽を改めて味わう。

一昨日、昨日は家の中を整理しました。
日本にいた時から使ってきた衣類で、英国生活で摩耗させきって捨てた服が
たくさんあったので、その替わりを購入してまわりました。
店舗にないものはネットで注文。
お店の場所やメーカ自体の名前も変わっていたりして、
11か月間の変化を実感します。

昨日、1/4(水)からは神奈川の財団での仕事を再開しました。
まずは挨拶回りから始めましたが、オフィスの様子や人の配置も変化しており、
ここでも新たな気持ちになりました。まずは、自分の不在中にどんな風に
みんなが過ごしてきたのか聞くところから始めています。

途中、皆さんの好意でうなぎや鱒寿司をご馳走になりました。
懐かしいお菓子にも再会しました。ここでもやはり、もとあったお店が無くなり、
新たな店舗がオープンしているのにも気づかされました。

それから有隣堂で本を買いました。
英国にいた時は送料が上乗せされたので、なんて懐に優しいのだろうと
喜ばずにいられません。買ったのは『アイヌ神謡集』と『イブン・バットゥータ』。

『アイヌ新謡集』の翻訳をした知里幸恵さんのことを、私は渡英中に知りました。
YouTubeで過去のドキュメンタリー番組を見て、帰国後すぐに読もうと思って
きましたが、やはり命を削った結晶という感じがします。
幸恵さんが出自に敬意を払い、本作りに関わった人たちが幸恵さんに敬意を払う。
そういうリスペクトが連鎖して編まれている神話です。

『イブン・バットゥータ』は14世紀イスラム世界を旅した冒険家。
エジンバラで彼をテーマにしたジョルディ・サヴァールの演奏を聴きましたが、
この冒険家自体を私は知りませんでした。『アイヌ神謡集』の近くに、
バットゥータについての評伝が新刊されているのに気づいて買い求めました。

復習の愉しさです。本を読みながら、あの時に聴いた音楽がより像を結んで
塗り替えられていくようです。今となってはあまりに基本的なことですが、
ロンドンでの生活を通じて、自分は初めてイスラム教徒の人たちと
身近に接することができたのです。

11か月間の情報量が膨大だったので、
こうして自分に定着させていこうと思います。
お正月のうちに日本のものを観はじめたいとも希望しています。

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