1/7(金)雪中行軍

2022年1月 8日 Posted in 中野note
page11_2.jpg
↑『ガラスの少尉』はバリ島に飛行機が墜落する話です。
落ちた先のジャングルを表現するために、植物のレプリカを大阪から
大量に借りました。

昨日は横浜にも雪が降りました。

今朝になってだいぶ路上の氷雪は消えたものの、
まだ所々に残っています。そのために普段はスイスイ進む道が大渋滞。
目的地がもうすぐなのに、ぜんぜん辿り着かない。

雪、といえば思い出すエピソードがいくつかあります。
あれは、2008年に一年間かけて取り組んだ『ガラスの少尉』公演後、
私は車でお借りした品物を返却し、新たな仕入れをして回ったのです。
確か2008年3月のこと。ハイエースに荷物を満載にして横浜を出発しました。

まず、大阪に行き、南河内万歳一座に借りたジャングルのセットを返す。
当時のこの劇団の倉庫は大阪城のたもと、石垣の中のようなところに
あって、その施設の豊かさに驚かされました。
なんて贅沢な空間だろう!

その後、天王寺にある劇団KIOに特別なスピーカー数台を返却。
『ガラスの少尉』はスタッフワークに凝りに凝ったので、
サラウンド効果が必要でした。そのためにお借りしたもの。
ここで一泊。

翌朝に大阪を発ち、今度は新潟県の高田を目指します。
その後に控えていた『下谷万年町物語』に備え、
昨年亡くなった着物屋の佐藤さんのところに、
今度は大量の古着を頂きに行ったのです。

大阪から名古屋の手前まで戻り、恵那峡を抜けて北陸を目指しました。
快晴のもと気持ちの良いドライブで、スムーズに着きました。
そして、荷物を積み込みつつ歓待してもらいたいました。

着物以外にも、舞台の道具になりそうな昭和の家具をもらい、
お風呂に入れると良い芳りがたつヒノキの輪切りまで頂戴しました。
ここで、もともと佐藤さんを紹介してくれた大学院の先輩、
金谷さんのご自宅にもう一泊。至れり尽くせりでした。

が、翌朝になってみると、昨日まで春模様は雪景色に変わっていました。
もう3月だったと高を括っていた私は、ワイパーを上げておく事すら
しなかったのです。

レンタカーだったものですから、何とか車を返さなければならない。
そこで、とにかく出発しました。確か、新潟の人にとってはまったく
大した事ないレベルではあったのだと記憶しています。
発信する時こそお尻が振られましたが、あとはジリジリと低速で運転し続け
妙高高原を越えました。そうするとみるみるうちに雪が減っていくのです。

長野県に入り、飯田についた時には雪はひとつも降っておらず、
ああ、新潟は山一つ隔てて特別に雪深いところなのだと実感しました。
ここまでは雪が降った。ここからは雪が降らない。明確な境界線があって、
その境目にはひとすじ、ふたすじ粉雪が舞い、幻想的でした。

あんなシチュエーションでなければ見られない光景でした。

トラックバックURL:

コメントする

(コメントを表示する際、コメントの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。その時はしばらくお待ちください。)