1/9(土)電車と唐さん⑥

2021年1月10日 Posted in 中野note
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↑2010年の『蛇姫様-わが心の奈蛇』公演より、二人のスリが出会う場面

昨晩は、「ジョン・シルバー」が芝居の中で、
山手線のホームを皮切りに海を目指す旅に出かけた話をしました。
(妻・小春の妄想ではありますが)

「山手線」と云えば、
他の芝居でも気になることがあって、
それは、1977年春に紅テントで初演された
『蛇姫様-わが心の奈蛇』について。

唐ゼミ☆でも2010年初夏に上演したあの演目、
主人公の青年の名前が、ずばり「山手線」なのです。
一見すると変な名前ですが、あれは、ヒロインと主人公の青年が
スリ稼業に勤しむ物語です。

スリの皆さんの間には、
往来でふところを狙う者、電車の中をフィールドとする者、
そんな具合に縄張りに応じていくつかジャンルがあるらしく、
青年「山手線」は、もちろん電車の中が活躍の場。
いわば、コードネームというわけです。

問題はこの読み方で、唐さんとしては、
この主人公を「やまてせん」と発声して欲しいとのこと。
私が普段慣れ親しんでいるのは「やまのてせん」なのですが、
この場合は「の」を入れず、「やまてせん」らしい。

気になって調べてみると、
「山手線」は開業の1885年(明治18年)以来、
今と同じように「やまのてせん」と呼ばれてきたのですが、
1945年(昭和20年)から71年(昭和46年)までは「やまてせん」
が正式だったらしいのです。

ちなみにこれは、戦後、GHQに路線名を
「YAMATE LOOPLINE」と申告したのをきっかけに
正式になったらしく、その理由は、
こっちの方が正式だとその機会に定めたとか、
あるいは担当者が間違えたとか、諸説あるようです。
(間違えたなんてあり得るのか!)

いずれにせよ、
私も大好きな『蛇姫様』の主人公は「やまてせん」です。

あれは、朝鮮戦争の記憶を負ったヒロインが活躍し、
その過去が物語を解くキーになる台本です。
相手となる青年の呼び名からも、唐さんが
ある年代を想定して書かれたことが伝わってきます。

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