2/10(木)傘がない

2022年2月10日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
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↑終演後、こうして場内で写真を撮って良い雰囲気がロンドン流らしい

昨日は『芝居の大学』の最終回だった。
日本の19時スタートは、こちらの10時開始。
だから前日の段階で語学学校には欠席することを伝えて、
早朝からzoomのリハーサルに臨んだ。

3名のゲスト、
桐山知也さん、浅井信好さん、鈴木励滋さんのお話はどれも面白く、
作品表現を追究すること、創作プロセスを全て表現と考えること、
さらに拡げて、日々の暮らしの中に表現を意識し、日常を緩やかに
変えていくことの面白さと可能性について語り合った。

後半には、前回のゲストだった横山義志さん、鈴木伸幸さんも
加わって、それぞれの思うところを述べてくださった。

"表現"を取り巻く何重ものレイヤーと、
それぞれの段階が持つ可能性と課題に触れることができた。
そして、目の前にはロンドンの下町とThe Albany があって
昨日は情報量の多さに圧倒されたけれど、午後から今朝までの
時間を使い、少し頭を整理することができた。
課題は、一直線につながっている。

そのようなわけで、午前は日本とのやり取りでホテルにおり、
午後は午後で、ミミやエマや、Albanyのスタッフが多忙だったので
これまたzoomで話し、ホテルにいた。

これから自分は、エマの担当する
"Here Now Us"というプロジェクトに伴走する。
その土台となる情報共有を、慣れない英語でやっている。
直接会うより、Zoomやメールでの内容理解は格段にくたびれる。

家探しは続いているが、良い物件が候補に上がり、希望を持つ。
2/10(木)の夕方に下見に行けるようエージェントが手配してくれた。
安価だし、すでに住み慣れ、移動に便利なグリニッジ周辺だし、
なんとかこの機会をものにしなければ。

夜は、どうしようか迷ったけれど、
ホテルばかりにいると気がふさぐので、街に出かけた。
小雨の中を電車に乗ってセントラルに出ると、
金田家というラーメン屋を見かけたので、入って食べてみた。
日本で食べるより美味く感じたけれど、会計は2,500円くらい。
外国のものは高級品だ。

それから、ウロウロした後にサウス・バンク・センターに行き、
当日券を買って、ロンドン・フィルハーモニックを聴いた。
指揮者クラウス・テンシュテットのCDの演奏を務めていた楽団だ。

ちょっと疲れていて、ウトウトしながらの鑑賞になってしまったが、
真ん中に演奏された現代曲のヴィオラ協奏曲が面白かった。
2004年に作られた曲らしいけれど、演奏後は作曲家も舞台に上がった。

メインのマーラー1番は、これまで何度も聴いてきたが、
スイングが多く、指揮者の力かオケの特徴か、
それとも今の自分の状態が影響しているのか、
分からないけれど、日本で聴いてきたのとは別モノに感じた。

ノリに乗って、ところどころ雑で、突っ込みが激しい。だから盛り上がる。
楽章間では、第2ヴァイオリン奏者が楽器の不具合で袖に引っ込んでしまい、
なかなか再開できないでいると、お客が笑いだし、ついにはリントゥさんが
「スコアに書いてあるんだよ」と大声でジョークを飛ばして場内が爆笑した。

それもあって終盤はさらに特攻的演奏。
お客さんの入りは6割程度だったが、みんな立ち上がって
掛け声を飛ばしながら盛り上がった。掛け声だ。もうコロナは関係なし。
それにしても、今日は最安席£14=2,500円で聴いたけれど、
とても良い環境に感じた。ラーメンより若干安いって・・・
これからはこういう感じで数を鑑賞していこう。

帰りに、雨が強くなっていて、
そういえばまだ傘を買っていないことを思い出す。
いくつかのスーパーを見て回ったが、日本のように雨だと軒先に
設置して売る様子もなく、どこで買ったら良いか、今だに分からない。
語学学校で訊いてみよう。

それにしても、ロンドンの街にはたくさんのホームレスがいて、
コスタコーヒーの紙コップなどを置いて、寄付を求めている。
何人か、傘をさしながら地べたに座り込んでいる人を見かけたが、
彼らはなぜ屋根のあるところに移動しないのか。

追い出されてしまうからか。あの状態の方がお金が集まるからか。
よく分からない。彼らが傘をどこで手に入れたかも、よく分からない。

帰ってから24:00に寝て、6:00に起きる。
久々に理想的な就寝・起床タイムだ。

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