2/10(月)人は腸なり

2020年2月11日 Posted in 中野note
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「おなかの調子を良好に保つ」と書いてあります。

私たちがまだ地方公演に不慣れだった2005年過ぎ、
緊張しながら旅に出る私たちに唐さんが口を酸っぱくして仰ったのは、
とにかく腸の健康を保つべし、ということでした。

人の健康を司っているのはほとんど「腸」なのだから、
何はともあれ写真のようなヨーグルト・ドリンクを飲み、
できれば紫色のタマネギのすりおろしたのをやりなさい。
そうすれば間違いなく健康は保たれる。

ついでに言うならば、人の心、
人間の気分の大半は腸の状態に左右されている、
とも仰っていました。

実際に、唐さんは上記の二点セットを毎朝せっせと摂取し、
皆さんご存知のようにすこぶる元気でご自身の地方公演を乗り切っていました。

ところで、唐さんと「腸」といえば、
90年代の傑作『透明人間』の冒頭、
主人公である保健所員・田口が繰り出す長ぜりふを思い出します。

「母が、海中からおどり上がる一匹の鮫だったらどんなにいいだろうか、
 母がオーロラの下をかける狼ならどんなに楽しいものかと僕は思ってました。
 僕が母から受けついだものは、そんなふうに五官をたかぶらせるもんじゃない。
 似ているところはただひとつ、並の人より腸が、
 一メートル長いだけのことだったんです。」

これはある種の日本人論で、
日本に生まれ育った凡人代表の田口は、
「鮫」や「狼」という例えを借りて、非凡であることへの憧れを訴えます。
それが結果的に、中国人とのバイリンガルである悪漢「辻」への憧れや、
せむしで唖のヒロイン「モモ」への強烈な興味につながっていくわけですが、
面白いのは、ここで田口が「典型的日本人=腸が長い」と言っていることです。

やはり「腸」。大事なのは「腸」なのです。

私もまた、普通の日本人として師の教えを守り、
ブルガリアからやって来たヨーグルトをゴクゴクやって健康を維持しつつ、
芝居に打ち込むという醍醐味を日々味わっています。

あっ、これを書いているうちに日付が変わりました。

唐さん、80歳のお誕生日おめでとうございます!

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