2/16(水)ついにギャビンに会う

2022年2月16日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
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↑英国でのビッグボス ギャビン・バロウさん。まさに大物アクティビスト。
「ビッグボス」という言葉に新庄監督により馴染んでおいて良かった。

現在、2/16(水)朝7:00。
今日は昨日のことだけ。コンパクトに書こう。

出会いと別れがひっきりなしの語学学校だが、
クラスの主要メンバーがインスタのネットワークをつくっている。
ロシア人のダナという17歳の女の子、トルコ人のセナ(年齢わからず)
という女子が声も大きくムードメーカーだが、グループを活用した
彼らの応酬が授業中に飛び交う。

明日の夜に「『シンデレラ』か『美女と野獣』を観に行かない?』と
ダナ。みんなが反応しないでいると「私だけ? 返事してよ」と言う。
自分はお誘い対象外だと思うが、夕方になって寂しそうなコメントが
続いたので、お礼とお断りのコメントをしたが、特に返事なし。
やはり、対象外だ。

今週入学した国も名前もわからないおじさんが「オレだけオールド」
と言ったので、「41歳の自分もですよ」と告げたら、デザイナーの
ロシア人・スヴェタが「私も47歳」と言った。
彼女の名前は......、『ジョン・シルバー』の「ドクリンコの唄」を
思い出して呼びかけにくい。「♪あたいたちゃスベタ・・・」

授業中、KAATの案件で津内口に取り次ぎを頼んだが、
まだやったことのない国際電話を急遽しなければならなくなりそうに
なり、焦る。「3」のSIMカードでは無理そうだ。

通い慣れたbill'sで昼食。今日は20歳のSho君と一緒に食べて、
久々に手ぶらでトイレに行けた。彼のホームステイや日本の家族、
これから2年を英国で過ごす展望を聴く、ヒースロー到着時の戸惑いは
みな一緒だと思う。

この日は雨で、自分はチープな折り畳み傘をさし、
Sho君は英国流にささない。後で劇場のソフィーやセリに傘を持たない
理由を訊いたら、風が強くてすぐに壊れるからだそうだ。
日本製をプレゼントしたいものだ。

午後は劇場に行って、やっと、ついに、やっと、
大ボスのギャビンに会うことができた。3つの施設を同時に運営し
多忙なギャビンと30分ほど話すことができた。

まずは今回の誘致に改めて大きな感謝を伝えて、
ここ2週間のこと。エマに伴走しようとしていること。
ミミの体調が心配なこと。ロンドン市内を歩き回っていること。
を伝えた。次は他の2施設を案内して、食事をする約束をする。
忙しそうだ。

そこからはセリと一緒に、オフィスの予約の仕方や、
劇場のメンバーとのスケジュールの押さえ方、運営組織を示す図を
見ながら、それぞれの立場と役割について説明を聴いた。

CEOのギャビンがとても偉そうに見えるので、
この樹形図から、ここの上下関係がどれくらい厳格なものであるか
訊いた。質問の動機を伝える中で、思いかけずKAATの眞野館長のこと、
唐さんや唐ゼミ☆のこと、室井先生と行ってきたことまで
説明することになった。

それらすべてを生かすヒントが、この劇場にはあるのではないか。
オペラやクラシック音楽や文学、古典劇などのハイカルチャーも
好きだけれど、最終的にはヒューマニティー("動物としての力"でもある)
を自分が発動させたり、人がそれを爆発させている瞬間を最重視している
ことを伝えた。

ペーパーワークに忙しいはずの彼女は、
およそ2時間以上も自分に割いてくれたと思う。
アツシに向いたギャビンの活動がある、と言っていくつかのコミュニティや
それに付随するウェブサイトを紹介してくれて(それらの拠点は、
ロンドンの外や、英国外にも及ぶ)、金曜の夜に開催される集まりにも
誘ってくれた。「でも、チケットいっぱい買ったアツシには予定が
あるかもね」と言うから、ここにいることの重要性と、優先順位が
高い予定を常に選ぶための最安席であることも念を押した。

もし「こちらにいるべきだ」という予定が飛び込んだら、チケットは
学校の同級生にプレゼントしても良いし、学校の出席日数については
規定数をクリアするよう通うし、すでに先生方や事務局にも渡英の
主目的を伝えて理解を得てあると伝えた。

セリの理解がありがたかった。

このあたり、大学一年の頃を思い出す。
6月頃、まだ親しいとはいえない唐さんが花園神社や鬼子母神での
紅テント解体に誘ってくださった時、自分は迷わず月曜の授業をサボった。
どちらのために生きているか、という優先順位の問題。
もちろん、予定なしにサボることはしない。

ここの職場は原則6:00pmまで、というセリに従って作業を終え、
今日もサウス・バンク・センターに向かう。当日券で£10。
7:00pmから「啓蒙時代の楽団」というオケを聴く。

秋にオペラシティで聴いたイザベル・ファウストがソリスト。
シューマンのヴァイオリン協奏曲は、かつて横浜国大の茂木先生に
勧められた曲だ。特に第2楽章の美しさは、気のふれた晩年の状態が
よく出ていて、不思議に魅力的だと。初めて生で聴いてそれが伝わった
けれど、いかんせんオケの規模や古楽器スタイルにはホールがデカすぎる。

アンコールを告げるために喋ったイザベルの声の柔らかさが印象的。
名前も風貌もいかつい感じがする彼女の演奏は繊細さ、玄妙さに魅力が
ある。細やかな人なのだろうと思う。

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