2/19(金)NHK『アナザーストーリーズ』を観て

2021年2月19日 Posted in 中野note
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↑一番右が若かりし日の井出情児さん

2/16(火)にNHK『アナザーストーリーズ』を観ました。
現在はYouTube全盛ですから、テレビの前に座って家族で放映を待つ。
そういう体験を久しぶりにしました。

私と椎野は背筋を伸ばして観る。2歳の娘は寝ている。
4歳半の息子は起きていて、彼には難しい内容に不満そうでウロウロ。
たびたび椎野にちょっかいを出していましたが、
「お母さんは大事なものを観ているから」と真剣に伝えると、
大人しくなりました。

初めて観る写真や映像もありましたし、
久しぶりにお目にかかる方々もいました。

とりわけ「あっ!」と思ったのは井出情児さん。
一度だけお目にかかってから、もう10年近く経っているのに気付きました。

室井先生のもとで働いていた頃、
大久保鷹さんにロングインタビューをする講座を行って、
せっかくだから冊子にしようということになりました。
写真集『唐組』を見れば貴重な写真がいくつもあるけれど、
これのオリジナルをどうしても掲載したい。
そこで、私たちにとっては"伝説の写真家"井出さんにご連絡をして
ご自宅を訪ねることになったのです。

井出さんの写真はどれも当時の様子を伝えて饒舌ですが、
とりわけ、バングラディッシュとパレスチナへの海外公演の模様は
その白眉だと思います。

私は、折に触れて古本屋のサイトを眺めては、
当時のルポルタージュが載ったアサヒグラフを買い求めてきました。
唐さんの書いた紀行文は単行本で読めるけれど、
やはり写真は、あの巨大な雑誌を手にして初めて、
その真価に触れることができます。

拳銃を構える姿。ロケットランチャーを担ぐ様子。
ずいぶん物騒な写真も数多くありますが、唐さんが行った
大冒険の気迫と、どこか、早く下町の焼き鳥屋に帰りたいという
様子までもが伝わってきて、眺めて飽きることがありません。

劇団員の中に写真家を擁した唐さんの慧眼、
その期待に応えて、数多くの記録を残した井出さん、
そのおかげで、私たちはその臨場感を追体験することができる。

『続ジョン・シルバー』では、
当たり屋一家の少年という重要な役どころを演じた井出さん。
その舞台姿にも、生で接したかったと思う先輩演劇人です。

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