2/28(火)江戸川乱歩の『鐡假面』
2023年2月28日 Posted in 中野note
↑ネット上の写真によれば、こういう箱入り、カラー挿絵多めのものが
届くようです。期待!
今年の公演目標は『鐡假面』。
2007年以来、二度目にやるからには完全無欠の『鐡假面』をつくろう。
そういう意気込みなのですが、実務的な公演会場おさえや予定組みをしつつ、
もう一つしなければならないことがあります。
それは、江戸川乱歩の『鉄仮面』を読むこと。
数々の不思議な短編や、怪人二十面相シリーズで有名な乱歩ですが、
その仕事には海外作品の翻案も含まれています。
「翻案」であって「翻訳」でないのは、けっこう書き変えてある、らしい。
『鉄仮面』もその仕事のひとつであり、
おそらく唐さんは少年期にこれに親しみ、乱歩版の読書体験をベースに
唐版『鐡假面』を生み出した、らしい。
らしい、らしい、と書いたのは、自分はまだ読んでいないからです。
これまでずっと探していたのですが、見当たらなかった。
それで、文庫になっているボアゴベの翻訳、つまり大人向けの長いものとか、
それをさらに少年少女に読みやすくしたものとかに目を通して、
2007年は劇をつくりました。
が、肝心なのは、やっぱり唐さんが何に影響を受けたか、です。
乱歩の作品はたくさん出版されています。
有名なポプラ社のものなど、人気作家ですから手に入りやすい。
私が小学校の頃には図書室にずらりとシリーズが並んでいました。
けれども、翻案物に関しては新しく出版し直すのが難しいらしいのです。
きっと著作権が複雑に入り組んでいるからでしょう。
オリジナル作品とは違って、出版努力の割に売れなさそうでもある。
そのようなわけで、ずっと引っかかっていたのですが、
ネットの古本屋で探したら昭和35年に出版されたものが高くない値段で
出ていたので注文しました。63年前の本です。
どんなコンティションでくるのだろう?
中には戦前に出版されたものも並んでいましたから、
これで最新の方なのです。
いずれ届く乱歩版を読めば、ここ15年抱き続けてきた負い目が解消されます。
もちろん、何か発見があることを第一に期待しつつ、本が届くのを待っています。
公演を組むということは社会的な活動ですから、
場所を決めるのも、出演者に交渉するのも、それぞれの人たちの事情があります。
一喜一憂あって、ラッキー!と思うこともあれば上手くいかない時もある。
そんな中にあって、よし!乱歩版を読むぞ!という行動は自分次第でできるので
息抜きになります。それでいて、劇に向かっている感じがする。
何か発見があったら、それこそ有頂天です。
唐さんが読み、見たであろうものを追う。
文章だけでなく挿絵が多そうなので、そこにすごいヒントがあるかも知れません。
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