2/9(水)まるでお遍路のように

2022年2月 9日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
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↑サドラーズ・ウェルズ・シアター。安藤洋子さんが活躍してきた場所。

学校や劇場が二日目の昨日も、面白い一日を過ごした。

午前中の講座は二部制。9:00-11:00まで発音、文法、単語を学ぶ。
30分の休憩をはさんで、11:30-12:30がディスカッションの時間。
完了のニュアンスの違いや、接続詞を学び、すぐに使い始める。
会話の時間には、学校で初めて、少し打ち解けて話す人を得た。
彼女はスペインの方で、大学で数学を教えているのだそう。

担当教官デイビットさんや、総務のマホメットさんと個別に話しができた。

デイビットさんは、かつて船橋で一年を過ごしたらしい。
自分は一度しか行ったことがないので、彼の方が断然詳しいわけだが、
当然、『続ジョン・シルバー』に出てくる船橋ヘルスセンターの話をする。

歴史・哲学・神学を学ぶことを趣味とするマホメットさんは、
自分が舞台の仕事について名刺を渡しながら説明すると、興味を持って
くれた。ロンドンで見るべきものを、どんどん教えてくれるよう依頼。

午後は劇場に行き、昨日よりさらにスタッフの名前と顔を覚えつつ、
ミミが自分の滞在先探しを手伝ってくれた。
彼女が見つけておいてくれたサイトはMixBより良くて、
すぐに入居できる情報をたくさん得ることができたが、いかんせん高価。
月初めには情報が増える傾向にあるので、サイトに網をかけつつ、
2月半ばからは、今より安価で朝食付きのホテルに移動するのが吉、
という判断に至りました。このホテルへの以降手続きを明日に行おう、
そう言ってミミと別れた。

何しろ、彼女は忙しそう。
今年、The Albanyはずっと特別なフェスティバル期間中なので、
いくつもの企画とトラブルを抱えている様子。彼女が同僚とする会話から
"angry"という言葉が何度も聞こえ、家が遠いらしいこともわかったので、
俺は大丈夫だと言って、こちらは次の行動にうつることにした。

ちなみに、今日はAlbanyにあるいくつもの集会室の中で、
一階にある大きめの部屋に地域のシニアの皆さんが集っていた。
KAATでは演劇やダンスを志す人を集め、創作する仕事をしてきたが、
こちらは劇場の規模からしてもより地域密着型で、車椅子の方、
杖をついた方が散見される。当然、人種も入り乱れている。

という様子を見ながら、今日もセントラルに行くことにした。
公演やステージを見る前に、まずは各地に道をつける。
そして、パンフレットやフライヤーをもらうというのが目標だ。
ホテルに帰ると疲れが出てすぐに寝てしまい、夜中に起きる生活が
連続しているので、きっと英語のストレートプレイには耐えられない。
まずは顔見せ、観劇は後日にする。動いていれば、起きていられるし。
少し遅めに帰って23:00-5:00くらいに睡眠時間をもっていきたい。

Albany最寄りのデトフォード駅から国鉄に乗ってロンドンブリッジに着く、
出発時にオイスターカードをタッチし忘れて、駅員さんに補い方を
訊いたら、初めて切符を買って駅を出ることになった。
案内も親切で、ありがたい経験。

そこから地下鉄に乗り換えて、ロイヤル・コート・シアターを目指す。
去年KAATで上演され、今月末に米澤が出演する『ポルノグラフィ』が
初演された劇場だ。若手の育成と発掘に力を入れ、登竜門の一つらしい。
地下にはパブと演劇関係書を扱うさほど大きくない本屋
「サミュエル・フレンチ」がある。現在公演中の演目のチラシをもらい、
受付の女性や書店のおじさんと喋って、次の目的地へ歩く。

明らかな高級住宅、ブランド店が集まるカドガンを抜けて、
立派なケンジントン駅の裏手からハイドパークに入った。
1999年に、さいたま劇術劇場でロイヤル・シェイクスピア・カンパニー
との共同制作『リア王』が上演された時、そのロンドン公演の様子も
撮影されたドキュメンタリーの中で、真田広之さんがランニングして
いたのはこの公園ではなかったか。日本のスターは当然ながら、
良い待遇を受けていたんだなと、土地柄を把握して実感。

公園を抜けてノッティングヒルに至る。
ここには、京都のレコード店「ラ・ヴォーチェ京都」の御店主に
教えてもらった「Classical Music Exchange」がある。
(ロンドンのディスクユニオンみたいな感じ)

御店主に挨拶して、日本から来た、この店を教わって来たと
伝えると、地下のクラシックコーナーは改装中だと言われた。
仕方ない。一階の商品の中から気になるジャンルを物色していると、
特別に地下を開けてくれて、さっそくレアものを発見。
日本だと滅多になく、ネットでは5,000〜10,000円するCDを2枚
それぞれ3ポンドずつで譲ってくれた。
また来ます、と伝えて地下鉄へ。

ノッティングヒル駅からセントポール・カテドラル駅に行き、
そこからの乗り換えがよく分からない。何故か訊けそうな人もいない。
そこで次なる目的地であるアルメイダ劇場まで歩き出した。
夜のオフィス街と静かな住宅街を抜けて、エンジェル地区に到着。
アルメイダでもフライヤーをもらった。この道すがら2ペニーを拾う。
お金を使うばかりの英国で得た初収入だ。

同時に、看板で名前を発見したので、さいたまゴールド祭のために来日し、
安藤洋子さんもイギリス公演の党打ち会場にしていたという
サドラーズ・ウェルズ・シアターにも行った。

途中、とんこつラーメンの金田屋、ユニクロ、無印良品を発見した。
帰りは、どうもバスの方が良いようなので、ここで渡英初めてバスに乗車。
ロンドンブリッジ駅から、直通でグリニッジ駅に行く電車を見定めて、
今日はストレートに帰ってくることができた。

電車を待つ時間が25分近くまったので、駅構内のお店でサンドイッチを
買ったが、レジに並んでいるお客を目掛けて、一人一人に懇願している
中年男性がいる。どうからお金が無くて一番安いピザのピースを
リクエストしているようだ。私は英語が分かりません、と伝えたら
次の人に行ってしまったが。彼はどうやって改札を通ったのだろうか?
電車賃はあるけど、食べるものを買うお金はないのだろうか?

不思議に思いながら、21:30頃にホテルに帰り。
歩き続けて20㎞以上、疲れて22:00には寝る。
3:00に起きて、これを書いています。

今日はこれから、講座『芝居の大学』の最終回!


↓英語の担当教員・デイビット先生
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